トルコ政府支持新聞アッサバーハ紙が、ウイグルの独立闘争リーダーである、ラビア・カデール女史とのインタビュー記事を掲載した。彼女は来日もしている人物であり、世界ウイグル議会議長だ。
ラビア・カデール女史はトルコ国民の、ウイグル難民に対する支援に、深く感謝し、なかでもトルコのカイサリ住民に、感謝の言葉を送っている。このカイサリ市には、ウイグルの戦闘員1500人が、居住していると彼女は語った。彼女はカイサリ市の住民が、家族のようウイグル人に、パン分けて与えてくれている、と称賛した。そして、そうしたトルコ人の、我々に対する親切は、我々に希望と幸福感を、与えるものだと語った。
ウイグル地区は中国の西部に位置し、中国政府はラマダンの断食を禁じたり、ブルカ(イスラム教徒の女性が、体をすっぽり包む衣服であり、湾岸やアラブではアバーヤと呼ばれる、似通った衣服がある)の使用を禁じたりしている。中国政府はモスクへの出入りを監視したり、宗教教育を禁止したり、と圧力を加えている。
ラビア・カデール女史は『我々が望むのは宗教的な自由だ。我々はトルコ族の一部族なのだ。』と語った。しかし、中国政府はウイグル人をテロリストと決めつけて、弾圧を繰り返しているということだ。さて、この時期にトルコ政府の肝いりのサバーハ新聞が、何故、ラビア・カデール女史のインタビュー記事を、掲載したのであろうか。簡単に言ってしまえば、エルドアン大統領の大国主義、オスマン帝国復活への一歩、ということになるが、それだけではあるまい。
アメリカがウイグルの若者を、シリアやイラクの戦線に送り込み、IS(ISIL)やヌスラと共に戦わせた。これは戦闘訓練であったろうと思われる。彼らウイグル人の青年たちはその後、ウイグル地区に戻っているのだ。そして、こうしたアメリカの作戦を支援すべく、トルコ政府は大量のトルコ・パスポートを、中国国内でばらまいていた。そのパスポートを持って、ウイグルの若者たちはマレーシアに入り、そこからトルコに向かっていたのだ。
つまり、こうした秘密作戦の成果が、そろそろ形になって表れる時期が、来たということなのではないか。つまり、ウイグル人たちは中国に対して、立ち上がる時期が、来たのかもしれない。しかし、それは他の少数民族、たとえば朝鮮族、満州族、モンゴル族、チベット族などが、時を同じくして立ち上がらなければ、中国軍に簡単につぶされてしまおう。アメリカやトルコの作戦は、どの段階まで進められるのだろうか。
『ラビア・カデールがトルコを賞賛』
2016年4月26日