ロシア軍がシリア政府の要請でシリアに駐留して以来、ロシア軍機によって多くのタンクローリーが、破壊されている。このタンクローリーは述べるまでも無く、シリアやイラクでIS(ISIL)が盗掘している石油を、トルコに輸出するためのものだ。
そのことについて、ロシアは国際会議がある度に、トルコ政府を非難してきている。それは当然であろう。この盗掘石油を輸入しているのは、トルコのエルドアン大統領の子息、ビラールなのだ。しかも、ご丁寧にもエルドアン大統領はエネルギー大臣に、義理の息子ビラトを、就任させてもいるのだ。
IS(ISIL)の戦闘で負傷した、戦闘員を治療する秘密の病院が、トルコ南東部のガゼンテペ市郊外にあるが、この病院の担当はエルドアン大統領の娘の、スメアだといわれている。彼女は足しげくこの病院に、通いつめているということのようだ。
IS(ISIL)とエルドアン・ファミリーの、こうした協力関係は石油の密輸で、双方に莫大な利益を、もたらしていたのだが、ロシア軍によるタンクローリー空爆で、計算が狂ってしまった。ロシア軍機は2000台のタンクローリーを、空爆で破壊したのだ。
IS(ISIL)は当初の3分の一にまで収入を減らし、戦闘員への給与は半分になり、遂には3分の1になり、一部は遅配と言われ、戦闘員なかには自分の臓器を、提供する者まで出てきている、と報じられている。
密輸石油を運ぶタンクローリーへの攻撃は、ロシア軍機ばかりではなく、最近では、イラク空軍によっても、行われるようになり、最近、20台のタンクローリーがイラク空軍によって、破壊されたと伝えられている。
これはイラクのニネベ県のカイヤーラ油田からのものであり、攻撃された20台のタンクローリーは、黒煙を上げて燃え、タンクローリーも原油も全滅したということだ。
困ったのは言うまでも無く、トルコのエルドアン・ファミリーであり、同時にこの密輸石油を買う、キプロスも困っているようだ。市場価格の3分の1程度の、低価格で買えていたのだから、キプロスがどれだけ、密輸石油の恩恵を、受けていたかが分かろう。
最終的には、IS(ISIL)の盗掘石油の密輸は、完全に阻止され、シリアやイラクでのIS(ISIL)の戦闘も、大幅に下火になるということであろう。それは、トルコにとっては大問題だが、アメリカにとっては、痛くも痒くもなかろう。既に、シリア北部はクルドには自治区並に、自由になっているのだから。