三菱重工とエジプト政府との間で、同社の正式な代表部を、カイロに設置することが合意された。この合意は主に、エジプトの首都カイロ市の、地下鉄工事を進めるためであろうか。
先にエジプトのシーシ大統領が訪日し、安倍総理大臣はエジプトに対して、2兆円の援助を、約束している。その合意に沿って、JICAはエネルギー部門、輸送部門の協力をエジプト側と、検討している。
以前から、エジプトは隠れた金鉱のようなものだ、私はと思っていたが、ここに来て本格的に、動き出すかもしれない。エジプトの地下資源、優秀で豊富な人材、ロケーションは捨てがたいのだ。
他方、エジプトでは同国の通貨ポンドが毎週のように、ドルに対して値下がりしている。先週の闇ドル相場はドルに対して、10・34ポンドだったが、今週は10・45ポンドに、下がったということだ。
これは必ずしも実際の経済状態に、沿ったものではない、と思えるのだが。サウジアラビアのサルマン国王がエジプトを訪問し、巨額の援助を約束していることは事実であり、ヨーロッパ諸国もエジプトとの経済関係強化を、進めようとしている。
シーシ大統領が推進した、第二スエズ運河の経済効果は、現段階出ていないが、将来には期待できることだ。観光部門も観光客の激減で振るわないが、ウクライナ、ロシアが送り込む方向にあるし、ヨーロッパの主要国がエジプトへの航空便を、増やす方向にある。
エジプト国民は総じて、反応が速く激しい。今回のエジプト・ポンドの下落は、その影響ではないかと思われる。そうした時期にこそ、日本企業はエジプトへ、進出すべきではないのか。
シーシ大統領は国有地を整地して、外国の企業に無償で提供し、工場誘致を進める方針を、発表している。この状況をどう判断するかで、日本企業の中東進出の今後が、判断できるのではないか。
『エジプト・ポンドの下落と三菱重工の動き』
2016年4月18日