寒い冬の時期には、トルコにガスを売らなかったロシアが、春になってからガスをトルコに売る、と言い出した。しかも、それは値引き価格での販売だ、ということだ。値引き率は10・25パーセントで、トルコのガス会社6社が、これに合意している。
ただし、この値引きによる取引は、4月1日をスタートにして、向こう3ヶ月に限られる、ということのようだ。それ以後については、その都度合意をしていく方針だ。
さて、このガス取引がロシアとトルコとの間で、再開するということは、どのような意味合いが、あるのであろうか。単純にロシアは、ガスや石油を輸出しなければ、国家の経済状況が悪化するからであり、ロシアとトルコとの間には、既にガス・パイプラインがあるのだから、ガス・パイプラインのコックを開けさえすれば、それでガスはトルコに流れていく、という判断も出来よう。
ロシアとトルコは何百年という長きに渡り、何度も戦争を繰り返してきた間柄であり、先のロシア機撃墜事件は、そのうちの小さな出来事だったのであろうか。そうなると、ロシアもトルコもそれぞれの利害を考えて、ガスの取引を再開しても、不思議はないだろう。
もう少し複雑な裏があるのではないか、と言いたいところだが、今回は詮索はやめておこう。