ここに来て、サッダーム・フセイン時代に、イラクのナンバー2だった、イッザト・ドーリはアメリカによって、1000万ドルの懸賞金をかけられながらも、生きているのではないか、という疑問が浮かび上がってきた。
それはあ彼が『アルアラビーヤ・アルハダス=アラブの出来事』というテレビに、彼が映し出されたからだ。彼はそのなかで、イエメンについて言及している。
その発言内容は今日的なものであり、彼が死んだとされる、1年前に録画されていたものではなさそうだ。
イッザト・ドーリが死亡したときには、DNA鑑定がなされて、確認されたことになっているし、彼の死体の写真は公表されている。しかし、死体の写真はイッザト・ドーリに似てはいるが、確定的ではなかったようだ。
今回、アルアラビーヤ・アルハダスに登場した彼は、イラクのバアス党の軍服を着こんでいた。つまり、イッザト・ドーリもバアス党も、いまだ健在だということを、示しているのであろう。
テレビのなかで、イッザト・ドーリは『イエメンからイランを追放しろ。』と強調している。そして『GCC(湾岸協力会議)の支援のもとに、イエメン議会を開催しろ。』と語っている。
また『イエメンからイランと通じる者たちも追放しろ。』とも語っているが、それはイエメンのホウシ派のミリシアや、ヘズブラなどを指しているのではないか、と思われる。述べるまでもなく、イエメンのホウシ派はシーア派であり、イランの支援を受けているからだ。
最近もイランから積み込まれた、大量の武器を運ぶ船が、インド洋でフランス海軍によって、拿捕されている。勿論、武器はホウシ派に送られる物だったと思われている。
さて、何故イッザト・ドーリが、この時期にテレビに出演し、しかも、サウジアラビアやアメリカの側を、擁護するようなイエメンに関する意見を、述べたのであろうか。それはあるいは、イランがイラク内政に相当深く、関与しているからかもしれない。
述べるまでもなく、現在のイラクのアバデイ首相は、イランと同じシーア派の出身であり、イランから少なからぬ影響を、受けていることは事実だ。
イラクのバアス党はイランを敵視して、戦争も起こしたし、イラクのシーア派リーダーたちに対して、弾圧も加えてきていた。そのシーア派の人物が、首相に収まっていることは許せない、イエメンもしかり、ということであろうか。