アメリカの国防次官アントニー・ビルキン氏が、アメリカの上院議員を相手に語ったところでは、現在のIS(ISIL)の戦闘員数は、2014年以来最低のレベルに減っている、ということだ。
アントニー・ビルキン国防次官は、具体的なIS'ISIL)の戦闘員の、人数については言及していないが、実際にそうであろう。IS(ISIL)の行動を見ていると、市民の虐殺などが主で、シリア軍やイラク軍との、正面からの戦闘は、あまり起こっていない。
CIAは現在の段階での、IS(ISIL)の戦闘員数について、20000人から31500人程度だ、と語っている
イラク軍やクルド軍の攻勢を前に、ISISIL)は敗退しているため、幾つかのイラクの重要な都市は、イラク側に奪還されている。それは、シリアの場合も同様で、ロシア軍とシリア軍の共同作戦で、パルミラを始めとする重要拠点から、IS(ISIL)側は撤退を、繰り返している。
こうしたことにより、アメリカのアントニー・ビルキン国防次官は、イラクの40パーセントの地域が、イラク側よってIS(ISIL)から奪還され、シリアでも10パーセントの地域が、シリア軍によって奪還された、と語っている。
こうしたIS(ISIL)の戦闘員の減少は、戦闘員のなかのヨーロッパ人の多くが、既に帰国していることによろう。それはIS(ISIL)による、ヨーロパでのテロが活発化する可能性がある、ということでもある。
アラブからの戦闘員は、主にリビアに向かっているものと思われる。それは昨年に比べ、リビア国内のIS(ISIL)の戦闘員数が3000人から6000人に、激増していることから、推測できる。これはCIAの発表による数字だ。
つまりシリアやイラクについては、ほぼIS(ISIL)の役割は終わり、今後はヨーロッパとリビア、そして北アフリカと中央アフリカが、攻撃の対象になって行く、ということであろう。