エルドアン大統領はアメリカのワシントンで開催される、国際核会議に参加することになり、29日トルコを出発した。
エルドアン大統領の訪米に当たっては、幾つもの憶測が飛び交っていた。その一つは、イラン生まれのトルコ国籍保持者レザ・ザッラブの、マネー・ロンダリングにエルドアン大統領が、関わっているという問題だ。
そのことがあり、訪米前の段階でエルドアン大統領は、訪米したら逮捕されるのではないか、と不安がっていたという話しもあった。しかし、エルドアン大統領の訪米前に、アメリカ政府の国務次官である、アントニー・ブリンケン氏がトルコを訪問し、エルドアン大統領の訪米について打ち合わせている。
多分、その席でアメリカ側のアントニー・ブリンケン国務次官は、間接的にエルドアン大統領に対して、法的手続きを取らない、と語ったのであろう。そのためエルドアン大統領は、たちまち元気になった、ということであろう。
ただ、本来であればエルドアン大統領は、オバマ大統領との個人的な対談を、望んでいたのであろうが、それはかなわないようだ。アメリカ側がエルドアン大統領に出した提案は、核会議の席で非公式に、オバマ大統領と会わせる、という約束のようだ。
確かに、世界中から50人以上のトップが集まる会議の時期には、エルドアン大統領にだけ特別の配慮をするということは、無理なのかもしれない。
エルドアン大統領側にすれば、何とかメンツが保てる、ということか。それ以外には、アメリカの財界人たちとの、会議が予定されている。アメリカの大手企業25社の代表が、会議に臨むようだ。
エルドアン大統領はレザ・ザッラブの逮捕については何の問題もない、と語りながら、レザ・ザッラブの弁護士に対し、必要であれば協力する、と語ったと伝えられている。
エルドアン大統領に対してアメリカ政府が、レザ・ザッラブのマネー・ロンダリングに、関与しているか否かということについて、具体的な動きをしていないのは、まだレザ・ザッラブの取り調べが、完了していないからであろう。エルドアン大統領が窮地に追い込まれるには、もう少し時間がかかるのではないか。