世界にある遺跡のなかでも、何本かの指に入るほど美しく、奇跡的な砂漠のパルミラ遺跡は、2000年の歴史を持つローマ帝国の建造した遺跡で、その素晴らしさのために『砂漠の真珠』と呼ばれてきていた。
そのパルミラをIS(ISIL)が占領支配し、一部を破壊してきたのだ。また、そこにあった貴重な遺物の一部は、密輸されたと言われている。しかしIS(ISIL)の支配が続いてきていたが、遂にシリア軍はこの貴重な遺跡の奪還に成功した。
この戦いでどれだけのシリア兵が、犠牲になったかは定かではないが、IS(ISIL)側の被害状況は人権委員会などから、明らかにされている。その報告によれば、400人のIS(ISIL)戦闘員が死亡し、4台の戦車が破壊され、何台かの戦闘車両も破壊されたようだ。
このシリア軍のIS(ISIL)打倒作戦には、ロシア軍の支援もあり、ロシア軍側はIS(ISIL)の、15のターゲットを攻撃したと語り、100人以上の戦闘員を殺した、とも発表している。
シリア軍はロシア軍の協力を称賛し、今回のパルミラ奪還はロシアの協力によるものだ、と明確に語っている。これで自信がついたシリア軍は、次はトルコからシリアへの、IS(ISIL)のサプライ・ラインを遮断する、と語っている。
そのシリア軍の新たな攻撃対象は、IS(ISIL)の首都であるラッカ市と、シリア東部の要衝デルズール市だ。
ラッカ市からはすでにIS(ISIL)の幹部と、家族の多くがイラクのモースル市やリビアのシルテ市になど、他の場所に逃亡したと言われているが、残存のIS(ISIL)との間では激戦起こるかもしれない。
ただ、IS(ISIL)側の戦闘員のなかには、戦闘に嫌気がさして逃亡を図る者、給料が支払われないために抜け出す者、IS(ISIL)の軍資金を盗む者なども出ていることから、案外あっけなく陥落するかも知れない。