リビアとチュニジアの国境の街、べン・グエルダネの警察署で、イスラム・テロリストとチュニジア治安軍や、警察との間で戦闘が展開された。その結果、28人のテロリストと、10人の治安兵、警察、税関吏が死亡し、民間人も巻き添えで、7人が死亡した。
この種の話では、この死者数は相当多数、ということになろう。チュニジアからは5000人以上の、IS(ISIL)メンバーが輩出しており、その多数がリビアに陣取っている模様だ。彼らは18歳から35歳の、年齢層だということだ。
先週もチュニジア軍が、5人のミリタントを殺害している。こうした衝突が起こっている原因のひとつには、アメリカ軍がリビアのIS(ISIL)訓練所を、空爆したために、彼らが安全な拠点を、チュニジアに移したい、と考えているからであろう。
今回の武力衝突の場合も、リビアにいたチュニジア人の、IS(ISIL)メンバーが、自国でのテロを計画したものだったようだ。チュニジアはリビアからのテロリストの侵入を阻止するために、200キロのフェンスを構築してもいる。しかし、リビアにあるIS(ISIL)の訓練所は、リビアのトリポリ市と、チュニジア国境との中間にある、スブラタ市の郊外にあるため、頻繁にリビアからの、IS(ISIL)メンバーのチュニジアへの侵入が、起こっているようだ。
現在では、リビアのIS(ISIL)の動きを警戒し、アメリカ軍イギリス軍フランス軍が、すでにリビア国内に駐留している、と伝えられている。これに加え、イタリアも50人の将兵を、リビアに送り込んでいるようだ。
イギリスはチュニジアに対しても、20人の軍事訓練指導員を、送り込んでいる、と伝えられている。
チュニジアは観光で成り立っている国家だが、それだけにテロの攻撃は、大きな経済的困難を、同国にもたらすことになる.チュニジアのソウス・リゾートでは、昨年6月にイギリス人38人が、テロの攻撃で犠牲になっているし、昨年の3月にも、バルド博物館に対するテロリストの攻撃があり、観光客と警官21人が、犠牲になっている。
今後もテロ攻撃が継続して、起こって行くのであれば、チュニジアの経済は、大分落ち込むだろうし、そうでなくても高い失業率は、ますます高くなるだろう。それは、チュニジア国内政治を、不安定化させることにも直結していこう。