先日のアメリカ軍による、デルナへの空爆で、現地にいたIS(ISIL)の指揮官アブ・ムゲイル・カハターニが死亡し、その後を継いだのが、アブドルカーデル・ナジュデイだ。
このアブドルカーデル・ナジュデイは、自身のことをIS(ISIL)のアミールだと宣言した。アミールとは本来の意味は、王子なのだが、指揮官という意味で、使用しているのであろう。つまり、彼がリビアのIS(ISIL)の最高指揮官に、なったということだ。
彼はアフリカらの移住者を歓迎し、取り込むつもりであり、その一部をローマにまで送り出す、と言っている。アブドルカーデル・ナジュデイはローマを自分たちの、支配下に置くということだ。
大ぼらとも思える発言だが、IS(ISIL)の現在の状況は、極めて不利になっているのではないか。リビアのスブラタにあった、IS(ISIL)の基地が攻撃され、リビアの隣国チュニジアに侵入(逃亡)しようとしたが、そこではチュニジア軍の反撃により、成功していない。
リビアのミスラタとシルテの中間にあった、アブ・カレインの基地からも、IS(ISIL)は逃げ出しているようだ。
こうした一連のIS(ISIL)の後退の動きは、リビア人が頑強であり、なかなかIS(ISIL)の支配下に落ちないからであろう。最初の頃はリビアの一部グループが、IS(ISIL)にバイア(服従の誓い)をする、動きがあったが、それが拡大しているという情報は伝ってきていない。
シリアやイラクで不利になったIS(ISIL)は、ここでもアメリカの攻撃にさらされ始めている、ということであろうか。それは何やら、アルカーイダやタリバーン、ムジャーヒデーンなどの運命と重なるのだが。