『モロッコがISの細菌兵器確保』

2016年3月 4日

 

 最近、中東をめぐっては、幾つもの信じがたい情報が、流されている。その偽情報を誰が流しているかということは、本ブログをお読みの皆さんには、想像がつくと思うので明示しない。

 今度流されたのは、モロッコでIS(ISIL)メンバーが細菌兵器を、所持していたという話だ。幸いなことに、モロッコの警察がそれを察知し、モロッコ内務省が所持者を、逮捕したと発表した。

 この細菌兵器は、人間の神経をマヒさせる効果があり、死亡させる効果もあるということだが、もし飲料水に流されれば、広い範囲に害が及ぶということだ。また空気伝染もするという、恐ろしいもののようだ。

 さてこの情報は、何を意味しているのであろうか。北アフリカの沿岸諸国は西がモロッコに始まり、アルジェリア、チュニジア、リビア、エジプトと続いているが、アラブの春革命以来、各国は国内混乱状態にあり、無政府状態に近い地域が拡大した。

このため、テロリスト側はこれらの国々を、自由に移動出来、テロ犯罪を起こすことが、出来る状態になっている。アルジェリアの石油プラントを狙ったテロでは、日本人も多数犠牲になったが、犯行に及んだテロリストは、リビアから侵入して来た、と伝えられている。

チュニジア政府はリビアからの、テロリストの侵入を警戒し、特別の対応を取っている。また、チュニジアはリビアへのテロリストの侵入経路にもなっているのだから、チュニジアとリビアは、お互い様ということであろうか。

今回のモロッコで捕まったIS(ISIL)の細菌兵器所持事件は、モロッコばかりではなく、チュニジアやアルジェリア、そしてリビアやエジプトにも、及ぶということを、言いたいのであろう。

確かにそうなのだが、IS(ISIL)に誰が細菌兵器を与えたのか、という疑問がわいてくる、そして、細菌兵器が発見されたことにより、次の段階では北アフリカ全域での、厳しい対応を欧米諸国は、とらなければならない、ということになる。

細菌兵器は北アフリカ諸国ばかりではなく、IS(ISIL)によって、ヨーロッパにも持ち込まれる、危険性があるからだ。そうなれば、いち早く北アフリカのIS(ISIL)を撲滅しなければならない、という国際コンセンサスが生まれる。

その最初のターゲットはリビアであり、リビアには石油があり、IS(ISIL)がリビアの石油を押さえれば、勢力は急速に拡大し危険が広まるという発想によるのだ。馬鹿らしいでっち上げによって、多くの人たちが犠牲になるのは、明日であろうか。