アメリカがシリアのクルド地区に、二つの空港を建設し、一つはすでに完成している、ということのようだ。この空港は軍事用と民間用に、利用される方針と説明されている。
軍事ではもっぱら、ヘリコプターの空港として利用され、物資の搬入と搬出が予定されているようだ。
空港は石油が出る、ハサカに近い場所に建設され、もう一つは、コバネの近郊に、建設されている。当然、この空港建設にはアメリカの専門家や、技術者が加わっている模様だ。
アメリカは北シリアのクルドに対して、昨年来、軍事指導をしており、武器を含む支援物資も、送り届けている。
クルドのYPGミリシア組織は、いまではアメリカの対IS(ISIL)の戦いの、最も期待されるパートナーとなっている。アメリカからは大統領特使の、ブレット・マクガ―ク氏が、数週間前にクルド地区を、訪問してもいるのだ。
このアメリカのシリア・クルドに対する、対応を見ていると,今後のアメリカとシリア・クルドとの関係が、ただならぬものであることが予測できよう。コバネは将来のシリア・クルドの、首都になるかもしれない。
アメリカは確実に、シリア・クルドに自治権を、与えるつもりなのではないか。そのために、コバネの戦いでクルドをIS(ISIL)に対して勝利させ、今日に至っているのではないのか。
アメリカにとって、この地域のクルド支援が必要なのは、何度も書いてきたように、ペルシャ湾岸諸国からのガスを、イラク経由でシリアに運び、そのガスを地中海経由で、欧米に届けるためだ。
こうなると、トルコは苦しい立場に追い込まれよう。それでも、もしシリア・クルドが自治権を持つようになれば、トルコはシリア・クルドに対して、微笑外交を展開せざるを、得なくなるかもしれない。自治区が成立すれば、一大建設ブームが起こり、トルコの企業が進出したがることは、自明の理だからだ。