サウジアラビア国内の治安が悪化し、緊張度が高まっているようだ。さる金曜日には、アハサー市のイマーム・レザ・モスクに対するテロがあり、4人が死亡し、18人が負傷している。
このテロはアブドルラハマーン・トエイジリという名の、22歳の青年によって実行された。彼は以前、受刑者釈放を求める集会に、参加したことのある、言ってみればお尋ね者のリストに、載っている人物だった。
サウジアラビア政府は、国内で増加するテロに対応するために、テロリストに関する情報提供者に対して、報奨金を出すことを発表した。テロリストの逮捕に協力した者に対しては、700万サウジ・リヤル(186万ドル)を提供するとし、テロリストの潜伏先に関する、情報を提供した者に対しては、100万サウジ・リヤル(266000ドル)を褒賞として与えると発表している。
こうした巨額の報奨金を、テロ関連情報提供者に与えるということは、それだけサウジアラビア国内のテロの危険度が、高まっているということであろう。最近起こった事件のなかには、現金輸送車が襲撃される、という事件も起こっている。この場合は、犯人の顔写真が公表された。シーア派の多いアルカテイーフのサイハト市で事件は起きている。
過去一週間の間に、サウジアラビアでは、テロリストおよび容疑者が、30人以上も逮捕されているということで、そのなかにはアメリカ国籍の人物も、含まれていると伝えられている。
ただ、これまで逮捕されたテロリストと、容疑者たちのなかで、誰がIS(ISIL)と関係があるのかについては、明らかにされていない。もし、そのことを明らかにすれば、IS(ISIL)に参加する反体制側の人物が、増える危険性があるからかもしれない。
シリアのIS(ISIL)が首都だ、と語ってきたラッカ市からは、既に、ロシア軍の空爆で、多くのIS(ISIL)幹部と家族が逃げ出しているし、戦闘員もしかりだ。そしてラッカ市から逃れた者たちは、リビアやアフガニスタンに向かったが、イラクのモ-スルに逃れた者もいる。
多くの戦闘員が帰国してもいることから、サウジアラビアにも相当数のIS(ISIL)メンバーが、帰国しているものと思われる。サウジアラビアの国内治安は、これから本格的に悪化していくのではないか。