『8年間も戦ったイラン・イラクがビザ無し討議』

2016年1月26日

 

 イランとイラクはサダム時代には、犬猿のなかであった。このため、サダムはイランに戦争を仕掛け、その戦争は8年間もの、長きに及んだ。結果は双方ともに、100万人単位の犠牲者を生み出し、インフラは破壊され、国家の経済は苦しいものになった。

 しかし、いまは大分、イラン・イラク関係が改善したようだ。それはサダム体制が打倒され、民主的な()選挙の結果、多数派を占めるシーア派政権が、イラクに誕生したからだ

そして今ではサウジアラビアという、共通の敵を持つにも至っている。サウジアラビアはイラクに対しては、犯罪者の罪を軽くし、イラクで戦うことを条件に、

自国から追い出した。

サウジアラビアはイランに対して、だいぶ前からシーア派はイスラム教徒ではないとして嫌悪し、自国のシーア派を差別してきたが、最近ではアウジアラビアのアルカテイーフの、シーア派リーダーの一人、ニムル師を処刑している。

このことはサウジアラビアと、イランとの関係を最悪の状態にし、イランのサウジアラビア大使館は、大規模デモを仕掛けられ、火炎瓶を投げ込まれている。

 つまり、かつての敵同士であった、イランとイラクは共通の敵を持つに至り、友好的な関係になったということだ。IS(ISIL)もまたイランとイラクにとって、共通の敵であろうことは、疑う余地もない。イランはイラクに派兵し、イラク軍を支援しているのだ。

 そのイラクとイランの代表が、先にイラクのバグダッドで開催された、PUIC(イスラム協力組織)会議の折に、イラン・イラク相互ビザ廃止を、協議したのだ。この折、テロ対策についても話し合われた。

 イラン側はラリジャニ氏が代表し、イラク側はアバデイ首相が代表し、話し合った。両国は観光促進や貿易拡大も話しあわれた

 なお会議にはサウジアラビア、バハレーン。カタール、アラブ首長国連邦、など湾岸諸国は欠席し、アラブからは16か国、イスラム諸国全体では、40か国が参加した。