『EUのテロ専門家ISはリビアへ』

2016年1月24日

 

 EUのテロ専門家の考えでは、IS(ISIL)はシリアやイラクから逃げ出し、リビアに移動すると考えている。既にIS(ISIL)の幹部がリビアに入り、シリアのラッカがIS(ISIL)の首都であったものが、リビアのシルテに首都が変更された、という情報も飛び交っている。

 IS(ISIL)がリビアを次のセンターと考え始めているのは、リビアに石油があるということに加え、現段階ではイラクやシリアとは異なり、欧米ロシアの空爆が実行されていないからだ。

 そのことに加え、カダフィ大佐が殺害され、リビアのジャマヒリア・システムが無くなった後、リビアは幾つもの組織が誕生し、内乱状態になっているからだ。現在、リビアにはトブルクと、トリポリに政府があり、トブルク政府は世俗派の国際認知を受けた政府、トリポリはイスラム色の強い、政府といわれている。

 このため、IS(ISIL)はリビアには統一政府が無く、IS(ISIL)に対する抵抗は弱いだろう、という判断をしているようだ。

 しかし、他方ではロシア、アメリカ、フランスなどが軍を既にリビア領土内に送り込んでいるという情報がある。リビアでIS(ISIL)が派手に動き出せば、欧米露はそれを口実に、空爆を始めることが予測される。

 EUのテロ専門家が、コメントのなかで語っているように、IS(ISIL)のリビア移動は、空爆が無いことが、一つの理由だからだ。

 アメリカやイギリスの軍人が、既にリビア入りしているという情報は、以前からあった。その規模やレベルがどうか、ということは別に、それは事実であろう。アメリカやイギリスはIS(ISIL)の、リビアへの移動を事前に予測していた、ということであろう

 つまり、IS(ISIL)がリビアに移動して、非人道的な殺戮を展開する、危険性がある。従って、それを阻止するためには、欧米がリビアに軍事介入しなければならない。リビアの国民の生命を守る、尊い戦闘に欧米は参加するのだ、という筋書きであろう。

 そこで沸いてくる疑問は、私が以前から書いてきているように、IS(ISIL)のリビア行きは、相当前から予測できていたし、それが既に始まってもいたのだ、ということだ。

 IS(ISIL)のリビア移動のシナリオを、誰が書いていたのかを想像して欲しい、何故IS(ISIL)のリビアへの移動が、いとも簡単にできたのかについても、考えてほしいものだ。