シリア難民に対する対応が、ヨーロッパ諸国でも、トルコでもヨルダンでも、レバノンでも厳しくなってきているようだ。
ヨーロッパではシリア難民を含む、難民たちが新年に騒ぎ、アルコールを飲んで大暴れし160人以上のヨーロッパの女性が暴力を受けたり、レイプされるという事件が起こっている。
当然のことながら、この事件へのリアクションは、各地で起こっているが、ベルギーやドイツでは特に激しいものになっている。ドイツではメルケル首相の難民に対する、人道意的な対応に、非難の声が上がってきている。
ドイツには毎日、3200人もの難民が押し寄せており、既に110万人を超えていると報告されているのだから、ある意味では当然のクレームであろう。
トルコでは空路、イスタンブール空港などに入って来る、シリアからの難民に対して、ビザの取得を義務付けるようになった。この結果、難民たちはシリア国内か、他の国でトルコのビザを、取得しなければならないのだが、それは至難の業であろうが、これはある種の受け入れに対する、締め付け策であろう。
レバノンではシリアから出国し、ベイルート空港からトルコに向かう、シリアの難民が数百人も出国できなかった。それはトルコ政府とレバノン政府が、シリア難民の移動を阻止することに、合意したからであろう。
もちろん、旅客機が強引にトルコまで、シリア難民の乗客を運んだとしても、トルコの空港で入国を阻止され、送り返されるだけのことだ。
アメリカはトルコに対して、もっと厳しい対応を、IS(ISIL)に対して取れ、とも言っている。確かにその効果があり、トルコは3000人を超える、IS(ISIL)戦闘員の同国への入国と、通過を阻止してもいる。
しかし、不思議なことに、最近、レバノンからIS(ISIL)の戦闘員や家族が、トルコにバスで移動し、入国できている。これは一体どういうことなのか。トルコはIS(ISIL)に対する、厳しい対応を執っているとは言いながら、実際には便宜を供与しているのではないのか。
アメリカや湾岸諸国トルコの、IS(ISIL)への対応には腑に落ちないことが多くある。彼らには本気でIS(ISIL)を打倒する気が、有るのかという疑問だ。