『リビアの石油をIS(ISIL)が狙い攻撃』

2016年1月22日

 

 リビアの石世を支配しようとして、IS(ISIL)が攻撃を激化させている。ラース・ラヌーフが現在の戦闘地域となっている。ラース・ラヌーフは地中海南岸のシルテに近い、リビアの石油積み出し港だ。

リビアのNOC(国営石油会社)の、ムスタファ・サナッラ社長は、ラース・ラヌーフの石油積み出し施設は、201412月から閉鎖されており、現在では操業していない、と語った。

 現在、石油施設ガードとIS(ISIL)との間で、戦闘が起こっており、四つのタンクが炎上している、ということだ。このタンクにつながる、アマル油田からのパイプラインも、攻撃の対象になっている。

シドラとラース・ラヌーフの積出港は、二つ合わせて60万バーレルの石油を、積み出せる能力を持っていた。しかし、炎上し、環境破壊が起こっており、火災の被害が拡大し、使い物にならなくなっている。地域の住民はガスや石油に引火し、居住区にまで及ぶことを恐れ、消化に必死だ。

 IS(ISIL)のアブ-・アブドルラハマ-ン・アッリービーは『今日はラース・ラヌーフとシドラ港、明日はベルガ港に攻撃をかけ、その後はトブルクとサリール、そしてジャッロとアルクフラを落とすと語った。

 現在、リビアは362000バーレルの石油を、生産しているが、2011年のカダフィ体制下では、160万バーレルが生産されていた。つまり、生産量が4分の1程度に、落ち込んでいるということだ。

 リビアはIS(ISIL)との戦闘で、これまでに300万バーレルの石油を、無駄にしたと報告されている。非産油国の日本にしてみれば『もったいない』の一語に、尽きる話だが。