『今年最後の中東短信』

2015年12月30日

 

ISラマデイ失う

イラク軍の侵攻で、ISが押さえていたラマデイが陥落した。ISの戦闘員などはイラク北東部に逃れている模様だ。今回の作戦が成功したのは、シーア派のイラク兵が後部に立ち、スンニー派のイラク兵を前面に立てたことにあった。

 イラク軍は続いてモースルのISを攻撃することになるが、この場合はクルドのミリシア・グループの協力が必要だ、と言っている。解放されたラマデイに入ったアバデイ首相はISを全てイラクから追放すると語った。

:イスラエルにISの銀行?

 イスラエル国内でアラビア語やバグダーデイの標しのある100ドル札が発見された。これらは偽札ではないかということで、分析を急いでいる。イスラエル国内には、明確なIS支持者と思われるパレスチナ人が30人おり、彼らはシリアの戦闘に参加し、イスラエル国内でISの細胞を作り始めているようだ。

:レバノンで5トンの麻薬捕押収

 レバノンのベイルート空港で5トンの麻薬が発見された、これはアンフェタミンなどの錠剤やハッシシだった。以前大量の麻薬を所持する、サウジの王子が逮捕されてもいるが、今回は麻薬の所有者が誰なのか、まだ明らかにされていない。

:イランが濃縮ウランをロシアに移送

 イランが自国で製造した濃縮ウランをロシアに送った。これはアメリカも歓迎している。このことでアメリカ・イラン関係には、大きな改善が見られるかもしれない。

:サウジがエルドアンの子息に9900万ドル賄賂

 エルドアン一家が外国や国内で、賄賂を取っていることが、何度も伝えられて来たが,今回はエルドアンの子息ビラールが主催する、TURGEV(青年教育財団)にサウジアラビアが、9900万ドルの寄付をしていたことが、CHPによって暴露された。この寄付と前後して、開発禁止の国有地での事業が、進められていた。

:サウジアラビアのイエメン戦費は53億ドル

 サウジアラビアがイエメンに戦争を仕掛け、アラブ合同軍を結成した。サウジアラビアは空爆を主に行なっているが、イエメン・サウジアラビアの国境地帯では、サウジアラビアの将兵や、合同軍参加のバハレーン、アラブ首長国連邦などの将兵の死亡も伝えられている。