トルコのエルドアン大統領は、どうも他者と良好な関係を結ぶことが、苦手なようだ。あるいは、自分だけが偉い、と思っているためなのかもしれない。
与党のAKPが権力を握った当初は、外交に善隣友好を掲げ、周辺諸国とはいい関係を、構築していたのだが、次第に周辺諸国との関係は、悪化していき、いまではイランだけが、唯一普通の関係を、維持している状態だ。
そのイランについても、エルドアン大統領は噛み付き始めている。イランの対シリア政策が、気に食わないらしいのだ。エルドアン大統領は、イランがシリアのアサド大統領を支援しているために、シリア国内には幾つもの派閥が誕生し、和平を構築できなくなっている、とイランを非難した。
トルコはアメリカが展開している、シリア対応に参画しており、IS(ISIL)を始めとする、テロを攻撃している。
しかし、ロシアとイランは、アサド体制を支援しており、その他のミリシア・グループも支援している、とエルドアン大統領は決めつけている。エルドアン大統領はIS(ISIL)や、シリア・クルド民主連合などは、権力をめぐる国際闘争の、道具に過ぎないとも語っている。
これらのグループは、PKK(クルド労働党)と変わらない、テログループであり、シリア・クルド民主連合はPKKの、シリア支部に過ぎないとも語った。
エルドアン大統領の罵詈雑言は、世界的にも知られるようになっているが、ここまで来ると、一体、トルコはどの隣国と、親しい関係を作りたいのか、という疑問が湧いてくる。
なかでも、今回のイラン非難は、トルコのエネルギー事情を、悪化させるのではないか、という懸念が沸く。現在、トルコはロシアとの関係が劣悪となり、ロシアからのガス供給は、止まる危険性があるのだ。あるいは、既に、止まる方向になっているのかもしれない)
イランからのガスや石油の供給が止まれば、トルコは他のエネルギー産出国から、輸入しなければならないのだが、それは時間と資金を必要としよう。述べるまでもなく、ガスの輸入については、ガスを液化するプラントと、液化ガス輸送のために、特別の仕様の船が必要なのだ。
一時期は、イランとの秘密の関係で、マネー・ロンダリングなどを行い、エルドアン大統領は相当利益を、得ていたはずなのだ。イランの若いビジネスマンであるザーレブは、巨額の賄賂をトルコの要人たちに送り、相当の金塊などを動かしていたし、それをエルドアン大統領は、支援していたのだ。
四面楚歌が歌いたいのであろうか??エルドアン大統領お気は確かですか?