トルコの第二の都市イスタンブールの、アジア側にあるサビハ空港で、テロ事件と思われる、爆発事件が起きた。現段階ではその爆発が、何であったのかの、最終確認が出ていないが、ロケット弾によるものか、砲撃であろうとみられている。
空港の外には砲弾の残骸と思しきものが、あったという情報もあるが、確かなものではない。在トルコのリチャード・ムーア・イギリス大使は、ツイッターで砲撃の可能性がある、という情報を流したが、後にその部分が抹消されている。
爆破事件後、サビハ空港は通常通りに運営されている、とトルコ政府のユルドルム大臣は語り、全く通常通りに空港は機能しているし、飛行機の遅れも無い、と現状を説明しているが、トルコ政府の慌て振りは、容易に推測がつく。
しかし、今回の爆発は300メートル離れた、他の飛行機5機にもダメージが出ていることから、あまり軽いものではなかったのではないか。そして、この事件は今後、トルコに悪い状況を生み出していくことに、つながるのではないか、と思われる。
ヨーロッパ側にある主要アタチュルク空港で、同じことが起こっていれば、外国の観光客はトルコを、避けるようになろう。そうでなくとも、トルコは苦しい経済状態のなかで、観光客の足が向かなくなれば、トルコの経済はより厳しいものになることは、容易に予想がつこう。
現段階では今回の爆弾テロについて、いまだに犯行声明は、何処の組織からも出ていないが、クルドの組織、左翼の組織、イスラム原理主義組織などによる犯行ではないか、と推測されている。
そのなかで、クルドの組織によるものではないか、という疑惑が広がろう。トルコ南東部では、トルコ軍や警察による、クルド人に対する攻撃と、テロ狩りが厳しく行われており、トルコ側にもクルド側にも、多数の死傷者が出ているからだ。そうした状況は、日に日に悪化しているのだ。
当然のこととして、クルド側の怒りは拡大しており、今後はますます双方の関係が、険悪になって行くものと思われる。PKK(クルド労働党)による、トルコ軍や警察に対するテロも、次第に増えてもいる。
エルドアン大統領は政府の方針に反対する、野党議員は裏切り者だ、とCHPを始めとする野党議を、激しく非難しているが、そんなことを言っている余裕は、トルコ政府にはなかろう。
悪化する経済状態、アメリカのトルコに対する冷遇、ロシアの敵対的立場、PKKのテロ拡大など、トルコはいま多くの難問を抱えているのだ。そうした事情が、今回のようなテロを起こさせているのではないのか。