IS(ISIL)がどうして多数の傭兵を、抱えていられるのかは、長い間誰もが疑問に思っていた点だ。戦闘員あるいはジハーデストたちは、ほとんどが出稼ぎのような者たちだから、資金が無くなっては、IS(ISIL)は解散せざるを得なくなってしまうからだ。 今回はIS(ISIL)がどのような資金源を、持っているのかについての、レポートがあったので、その一部をご紹介しよう。 この報告は、まずトラック運転手の証言から始まり、その彼はヨルダンからアイスクリームを、イラク国内に運んでいるが、最初のチェック・ポイントで、300ドル支払っている。それさえ払えば、あとは自由に移動できるようだ。 つまり、通行税が取られ領収書には、印紙のようなものが、張られているということだ。もし、その金を支払わなければ逮捕されるか、トラックを焼かれてしまうということだ。 IS(ISIL)が徴税する税には、所得税、電気料金、水道料金、穀物税、家畜税、喫煙への罰金と、服装の乱れに対する罰金などがある。庶民はこうしたIS(ISIL)の活動について『朝は戦闘をし、午後からは徴税をしている。』と評している。 それ以外には、湾岸諸国の金持からの寄付があり、世界で最も豊かな資金を持っているのが、IS(ISIL)だということになる。加えて、密輸の石油代金があるが、11月に行われた空爆で、タンクローリ-が多数破壊されている。 それ以外にも、大きな街では古い建物を、小分けして店舗として、貸し出しており、家賃収入を得ている。IS(ISIL)が首都と言っているラッカ市の場合、店舗の賃貸料は、7ドルから14ドルということだ。 自家用車の登録料、歴史的遺物の盗品販売、水やジュースのペット・ボトル工場と販売からの収入、繊維工場、携帯電話会社も運営している。加えて、ザカート(イスラム教徒の義務の税金)の徴収がある。 こうした一般の税収入は、8~9億ドル程度あり、石油密輸からの収入は5億ドル程度、人質保釈代数千万ドル、銀行強盗などの収入が10億ドルある。 こうしてみると、一般の居住者から徴収している収入が、一番多いことに気が付こう。いまではそれだけ、IS(ISIL)がシステマテイックに、活動しているということだ。 |
『IS(ISIL)の資金源は多種多様』
2015年12月 1日