フランスのパリで起こったテロ事件は、相当のショックと憤りをフランスの官民に抱かせたようだ。その事もあってか、フランスは第二次世界大戦以来、初めてロシアと軍事協力関係を、スタートすることになった。
フランスは航空母艦を東地中海に送り、そこからシリア国内の、IS(ISIL)の重要拠点に対する、空爆を始めている。もちろん、フランスによる空爆は、パリで起こったテロ事件以前から、行われていたことであり、それ故にIS(ISIL)は、パリでのテロを実行した、と言われているのだが。
このフランスとロシアとの、軍事面での協力について、識者はドゴール大統領が行った、第二次世界大戦時のソビエトとの、軍事協力に通じる、と指摘している。そして、第二次世界大戦時には、フランスとソビエトの共通の敵は、ドイツのナチであった、と述べている。
つまり、今回フランスとロシアとの、軍事協力関係が、成立したということは、IS(ISIL)が現代のナチだ、ということであろうか。そして、IS(ISIL)の代表者であるバグダーデイは、第二のヒトラーという、役割であろうか。
最近になって、日本国内外から、今回フランスのパリで起こった、テロの後ろには、第一次世界大戦の残滓だ、という意見や、第二次世界大戦がもたらした、マイナスのイメージが、尾を引いているからだ、とする意見が多く出てきている。
つまり、オスマン帝国の亡霊が、IS(ISIL)というイスラム教スンニー派の、モンスターを生み出し、それが西側に挑戦しているのだという説や、ヨーロッパ諸国の植民地支配の黒い記録が、影響を及ぼしているのだという考えだ。
これらの考えは、一見歴史を熟知した、インテリの発想のように、思われるのだが、事実はそうではあるまい。IS(ISIL)を、誰が、何の目的で、何故IS(ISIL)を生み出し、それを支援してきていたのかを、考えればわかろうものだ。
IS(ISIL)をこれまで支援してきているのは、サウジアラビアであり、カタールであり、トルコなのだ。そして、これらの国々も結局は、ビッグ・ダデイの言うなりに、そうして来たに過ぎないのだ。
今回のパリテロ事件が起こったのは、あくまでも世界支配と経済支配であり、その程度が酷すぎたために、ロシアとフランスが、ビッグ・ダデイに抵抗して、共闘関係を生み出したのではないのか。そうであるとすれば、世界のパワーバランスは、今後、大きく変わる、ということであろう。