11月9日、ヨルダンの訓練所で、ヨルダンの警察官が2人のアメリカ人指導員、ヨルダン人指導員、南アフリカ指導員を射殺するという事件が起こった。彼ら以外にも、アメリカ人2人のアメリカ人指導員、3人のヨルダン人が負傷している。つまり、5人が負傷を追い、その後5人のうちの、4人が死亡したようだ。
犯人はアンワル・アブ―・ザイド28歳、二人の男女の子供のいる父親だった。彼は出身地の人たちからは、親切であり、穏健だが敬虔なイスラム教徒として、見られていたようだ。
犯人アンワル・アブ―・ザイドは、事件現場で射殺された。一体、彼が何故この犯行に及んだのかは、まだ不明のままだ。しかし、考えられることは、この日がアンマンのホテルで10年前に起こった、50人が犠牲になった、アルカーイダのテロリストによる、テロ事件に関連しているのではないか、と思われている。つまり、中東のイスラミストへの、連帯の行動だったということだ。
しかし、それ以外にも今回の犯行については、ヨルダン政府とアメリカ政府が、シリアのIS(ISIL)への敵対姿勢を、明確にすることによって、シリアとヨルダンの国境地帯が、危険になってきていることに、あったのではないか、とも考えられている。
IS(ISIL)に対する敵対的な立場は、ヨルダン国内でもテロが増えてきていることに関係しているのではないかと、懸念してのものではなかったか、とも考えられている。
つまり、アンワル・アブ―・ザイドは、ヨルダン政府とアメリカ政府に対し、IS(ISIL)とヨルダンとの緊張を、煽ることに反対であったことが、今回の犯行の動機だというのだ。
勿論、真相はまだ不明のままだが、いまの中東では何が起こっても不思議ではないということであろう。述べるまでもなくヨルダンの隣のヨルダン川西岸地区ではパレスチナ人のイスラエルに対する抵抗闘争が激化してもいる。
種々の要因が、ヨルダンの今回の犯人だけではなく、多くのヨルダン国民を怒りの感情に駆り立てているということではないのか。
戦闘の訓練指導に当たっていたアメリカ人などは、イラクで殺戮を重ねた、悪名高いブラック・ウオーター社の、後継企業のスタッフではなかったのか。そうであるとすればますます、ヨルダン国民の怒りは募っていたろう。
『ヨルダン警察訓練所で指導員射殺』
2015年11月10日