『誰がISを支援しているのか』

2015年11月22日

 

 大きな魔物と化したIS(ISIL)を、誰がそうさせたのか、ということが世界的に、関心を引いている。組織が大きくなっていくためには、それなりの条件が揃わなければならない、ということは企業でも、社会でも同じであろう。

IS(ISIL)のようなテロ組織の場合は、戦闘員、資金、武器といったものが、その基本的なニーズであろう。それでは誰がIS(ISIL)に、そうした基本的ニーズを提供したのか、ということになるが、そのことを本に纏めた人物がいる。

ティム・アンダーソンという人物が『シリアのダーテイ・ウオー』という本を書いた。そのなかには、どの国がどのような支援を、IS(ISIL)に送ったのかを、詳細に書いている。

そのなかで目立つ支援国は、サウジアラビア、トルコ、カタール、イギリス、フランス、アメリカの6カ国となっている。

:サウンジアラビア=イラクがイラン寄りになり過ぎたために、アメリカはサウジアラビアに対してIS(ISIL)を創立することを指示した。その結果、シリアの全ての反政府組織が、武器を入手することになった。

:トルコ=トルコはイラク・シリアへの、テロリストの移動を許可した。サウジアラビアとトルコが協力して、ヌスラ組織(アルカーイダ)を結成した。イスラミストが盗んだ石油の密輸を支援した。IS(ISIL)の戦闘員の治療を行っている。

:カタール=ムスリム同胞団組織例えばFSA(シリアの反政府組織自由シリア軍)に対して、資金援助を行った。サウジアラビア・トルコと協力して、テロリスト組織を支援した。

:イスラエル=全てのシリアのイスラム戦闘組織に対し、武器を供与し、医療支援を行った。協力地点はゴラン高原であり、この支援相手にはヌスラも、IS(ISIL)も含まれている。

:イギリス・フランス=アルカーイダに近い組織(ヌスラ)に、武器を供与した。システマテイックに参加し、武器を供与した。

:アメリカ=上記全ての支援活動を差配し、トルコ、ヨルダン、カタール、サウジアラビア、イラク等の基地を、使用可能にした。IS(ISIL)をクルド地区から追い出したが、IS(ISIL)を支援しシリア・イラクを攻撃させた。アメリカは直接的に、空中からの投下で、支援物資武器などを、IS(ISIL)に提供した。

 

 この本の内容を信じるか否かは、国際情勢にどれだけ精通しているか否か、にかかっていよう。先日、カタール政府の高官は、IS(ISIL)はサウジアラビアの生み出したものだ、と語っている。