イスラエルの国籍を持つパレスチナ人のうち、17パーセントがIS(ISIL)を支持している、という結果がわかった。これは、サーミー・スムーハというハイファ大学教授が、行った調査結果だ。サーミー・スムーハ教授はこの結果を、11月23日に開催される、ギヴァト・ハビバ会議で発表することになっている。
彼の調査結果によれば、82パーセントのイスラエル・アラブ人(パレスチナ人)は、IS(ISIL)が過激主義者だと考えている。他方、IS(ISIL)を支持するパレスチナ人の割合は、17パーセントに達している。
また、イスラエル国内存在するイスラム運動の活動は、パレスチナ人を代表するものだ、と考えているということだ。このイスラム運動は南北に分かれており、つい最近、北の組織は非合法とみなされ、活動を禁止されている。しかし、南の同組織は禁止されていない。
イスラエル政府の、北のイスラム運動に対する措置については、28パーセントが反対している。どうやら、パレスチナ人の間では、IS(ISIL)やイスラエルの政策に対して、統一した見解が生まれていない、ということのようだ。
しかし、パレスチナ人のなかには、IS(ISIL)がイスラエルや世界の大国に、抵抗出来る組織だという認識が、あるということのようだ。彼らは暴力によって、イスラエルを排除できる、と考えているということだ。
パレスチナ人の中には、イスラエルとの二国共存を、全面的に否定するグループがあり、イスラエル側にも、パレスチナ人全てを、イスラエルから追放すべきだ、と考えているグループも存在する。イスラエル人の31パーセントは、パレスチナ人のクネセト(国会)での投票権を奪え、と主張している。
パレスチナ人の42パーセントは、北のイスラム運動を支持しているが、それはイスラム運動が、イスラエル政府に代わって、社会サービスを実行しているからだ。
イスラム運動に対する、パレスチナ人の支持が高いのは、同組織が幼稚園、小学校を運営しているし、スポーツ・クラブやコーランを教える教室も、開いているからだ、とスムーハ教授は語っている。
しかし、イスラエルに居住するパレスチナ人は、現実的な思考をしており、政治を通じて、政策を変えさせ、生活のレベルを引き上げ、暴力を減らしたいと考えているということのようだ。
そうは言っても、イスラエル側からすれば、IS(ISIL)支持者が17パーセントもいるということは、約5人に1人が、将来IS(ISIL)に参加するか、同じような行動に出る危険性がある、と受け止めていよう。