『中東の混乱はサウジに責任、トルコ副首相汚職撲滅でAKP立て直せ、エルドアンの息子はイタリアに逃げたか』

2015年10月 8日

 

 アラブ中東世界からは毎日、興味のある情報が流れて来ている。その全てをカバーし、ご報告することが出来ないので、これはと思う大事な情報や、興味深い情報について、ご報告しているが、今回はその中から幾つかを、ピック・アップしてみた。

:レバノンシーア派ヘズブラのトップである、ナスラッラー師が中東問題の全ては、サウジアラビアによって引き起こされている、と非難した。彼に言わせれば、先日、ハッジ時に起こった大数の死者を出した圧死事件は、サウジアラビアによるものであり、安全管理が出来ていなかったからだ、ということだ。彼に言わせると、サウジアラビアは国家設立以来、イスラエルとアメリカの走狗として、活動してきた、ということだ。

 またサウジアラビアのワハビー派は、イスラム世界の中では、ごく小さなマイノリテイグル―プに過ぎない、その行動はIS(ISIL)と同じ、残虐なものだと語っている。彼がここまでサウジアラビアを、激しく非難できるのは、環境が変わったからであろう。その変化とは何かを、考えてみる必要があろう。

 

:トルコのエルドアン大統領の子息ビラールが、イタリアに逃亡したとトルコのフアト・アウニ記者が、ツイッターで流した。彼に言わせると、ビラールは大金を持ち出した、ということであり、既に、イタリアを始め幾つもの外国の銀行に、口座を開設している、ということのようだ。

 しかし、これに対してビラール・エルドアンは、ジョンホプキンス大学のボローニア校で、博士号を取得するために、イタリアに長期滞在するのであって、逃亡が理由ではない、と説明している。また、ビラールは博士号を取得した段階では帰国し、死ぬまでトルコに住む、とも語っている。母国から逃亡するのは、臆病者のすることだ、とも語った。 

 

:アリー・ババジャン副首相は、トルコの与党AKPが信頼を回復するには、汚職問題を解決しなければならない、と語った。彼はAKP の設立時からの幹部メンバーであるだけに、彼の発言の意味は重い。

 アリー・ババジャンはAKとは白を意味する、清潔のイメージだとも語っているが、現状はそうではないということだ。そして、トルコはこの汚職問題で、2014年以来、世界ランキング53位から、64位まで下がってもいる。