エジプトがフランス製の戦闘艦を購入する、という話を最初に耳にしたのは、さる7月に、カイロを訪問した時だった。
友人がその時、面白い話をしてくれた。彼が言うには、ダイレクトにエジプトがフランスから、戦闘艦を購入したのでは、アメリカやイスラエルとの間で、問題が起こる可能性がある。そこでロシアとフランスが組んで、最初の契約をフランスとロシアで交わす。
その後、ロシアが購入をキャンセルし、フランスが困ったように振る舞い、エジプトに売るという形になれば、アメリカもフランスとの付き合いから、エジプトがフランスの戦闘艦を購入しても、圧力をかけない、というものだった。
しかも、話はそれだけではない。ロシアはフランスから戦闘艦を、購入することを決め、その戦闘艦にロシア政府の武器を、フルで取り付けたというのだ。
その友人の話を半信半疑で聞いていたが、先日、フランスとエジプトとの間で、この戦闘艦の取り引きが成立した、というニュースが流れた。友人の話は事実だった、ということであろう。
つまり、今回エジプトがフランスから、購入をすることになった戦闘艦は、フランス製であり、武器はすべてロシア製ということになる。
この取引は今後の欧、アラブ、ロシア関係を占う上で、極めて重要であろう。
『エジプトが購入フランス製戦闘艦にまつわる謎』
2015年9月24日