エジプトはシナイ半島北部で起こっている、テロ対策の一環として、ガザとシナイ半島の国境地帯に、運河を建設し始めている。これは大きな人口の川であり、そこに地中海の海水を流す計画だ。
結果的に、ガザ側からシナイ半島に繋がる、パレスチナ側が掘ったトンネルは、水浸しとなり使えなくなるという作戦だ。述べるまでもなく、このトンネルを使って、パレスチナ側は密輸をしており、武器もテロリストも双方向で流れている。
加えて、シナイ半島でテロを行っている、テロリストたちは危険な場合には、ガザ側に逃れているのだ。戦闘員がガザ側からシナイ半島に侵入しているのも、このトンネルを使ってだ。
エジプトが建設中の運河は、相当の規模のようだ。それが完成し、運河に地中海の海水が流れ込めば、トンネルが使用不可能になり、ガザの住民の生活必需品は、密輸できなくなる。
加えて、この海水が流れ込むことにより、ガザの地下水は汚染され、飲料水としては使えなくなる。また、地下に水がしみていけば、住宅などの建物も倒壊の危険に、さらされる危険性があるのだ。
ガザのハマース代表者であるサーミー・アブ・ズフル氏は、エジプト側がこの計画を中断してくれるように、依頼しているが、困難な交渉となろう。エジプトのシーシ大統領は信念の人であり、いったん決めたことは、なかなか変更しない性格だからだ。
パレスチナのハマースは、苦しいときはエジプトに頼み込み、通常は敵対しているのだから、考えようによっては自業自得、ということになるのではないか。この運河計画でエジプトとだけを、責めるわけにはいくまい。