『中東からのニュース短信』

2015年9月18日

 

:トルコのギュル元大統領政界復帰の可能性

 混乱が続くトルコで、ギュル元大統領に対して、政治の世界に復帰してほしいという声が少なくないようだ。こうした国民の意向を受けて、ギュル元大統領が政治の世界に、復帰する可能性が出てきた。

 そのことは、場合によっては、ギュル氏の新党結成もあり得ようから、そうなれば、AKPは分裂する可能性もあろう。まさにトルコの現状は、波乱含みの状況といえよう。

 

:ムーデイズがトルコ経済を悲観的評価

 世界の企業や国家財政について、信頼のできる判断を下す機関として、ムーデイズというものがあるが,そのムーデイズが最近、トルコは脆弱な経済状態にある、と判断したようだ。

 もちろん、現在の世界経済の状況は、総じて悪化の方向にあり、悪いのはトルコだけではない。

 アメリカが金利を上げるようなことになれば、世界の幾つかの国は、危険水域に入ることになろうが、それはブラジル、ロシア、トルコ、南アフリカ、メキシコといった国々だ。

 そうした脆弱な経済状態にある国々の中でもトルコとブラジルはひどい、という判断のようだ。トルコの場合はリラの値下がりが続いており、外資が逃避する傾向にあるからだ。

 

;サウジアラビアで続く災難

 サウジアラビアのメッカで、911日に、工事用の大型クレーンが倒れ、100人を超す負傷者と、107人の死者が出たが、それに続いて、917日にメッカのホテルで火災が起こった。

 このホテルは8階建てのものであり、アジアなどからの巡礼客が、泊まっていた。幸いやけどを負ったものが2人ほどで済んだようであり、死者が出たという報道はない。

メッカのクレーン倒壊による事故では、イランがサウジアラビアにはメッカを、仕切る資格はないと非難していたが、ほんの数日後に、ホテルの火災が起こっていることから、ますます、イランのサウジアラビア政府非難は、激しさを増すことであろう。

 そこで出てくるのは、サウド王家の信仰心が弱いということではないのか。