ウランで大型のウラン鉱脈が発見された、というニュースが流れている。このニュースを伝えたのは、イスラエルやサウジ系のマスコミだ、それは無理もなかろう。これらの国にとっては、イランの核爆弾が、最大の脅威になっているからだ。
イランは早い時期に、このウラン鉱の開発を、進める方針のようだ。しかし、西側の専門家の間では、多少の疑問を挟む者もいないわけではない。彼らに言わせると、イランは近い将来、イエロー・ケーキの不足で、外国から輸入しなければならなくなるだろう、ということがその根拠だ。
しかし、それは正しい判断ではなかろう。鉱石とイエロー・ケーキは別のものであり、イエロー・ケーキが不足するからといって、ウラン鉱がないということには繋がらないからだ。それは、しかるべき政治的な判断があってなされた、否定的見解ではないのか。
イランのアリー・アクバル・サーレヒー核委員会委員長は『ウラニューム鉱の量について、希望的なことは言えないが、存在することは確認された。』と控えめなコメントをしている。
このアリー・アクバル・サーレヒー氏のコメントもやはり、政治的な判断に基づくコメントであろう。この時期に、イランが大量のウラン鉱を発見した、と公表すれば、世界中を警戒させることになるからだ。
いずれにしろ、核問題の合意が最終的に成立すれば、ウラン鉱の開発は本格的に、進められることになる。その鉱脈はイラン中部の、ヤズド地方にあるとされている。イランがイエロー・ケーキの不足に、向かっていることは事実であり、イランのこれまで開発され、ウラン鉱脈の開発は、価格的に厳しい質の悪いものだ、と言われてきていた。
今回イランで発見された、ウラン鉱脈のウラン鉱の質が、どのようなものであり、どの程度の規模のものなのか、これから世界中の関心の的となろう。