『エジプトとトルコからの短信』

2015年9月 8日

 

:エジプトの新首都中国参加

 エジプトが第二スエズ運河の完成に合わせ、カイロとスエズの間に、新首都を建設する計画を建てた。このプロジェクトは総予算が540億ドルで、その新首都はシンガポールよりも広大であり、なかにはエッフェル塔よりも高いビルが建ち、ロンドンのヒュースロー空港よりも大きな、国際空港ができる予定だ。

 この新首都に関連する道路の総延長は、1万キロメートルもあるというのだからすごいものになるだろう。この新首都の建設の最初の契約者は、アラブ首長国連邦のキャピタル・シテイ・パートナー社であり、これに次いで、中国の国営建設会社が名乗り出た。

 中国側はシーシ大統領の中国訪問を機に、この計画に乗り出したのだが、中国は資金協力と建築とを、引き受けることになった。工事期間は5年から7年を予測している、まさにメガ・プロジェクトであろう。

 

:トルコ・リラ大暴落遂に30269リラ/ドルに

 トルコ・リラはPKKとの戦闘が続くなかで、値下がりが続いている。そしてついに、対ドルで大台の3リラのレベルに達した。これはまさに記録的な、値下がりであろう。

 こうしたトルコ・リラの値下がりは、外国の短期投資資金が、引き揚げていることの影響だ。外国投資家は最近、5億ドルを売った、と報告されている。先月も462億ドルが、売られている。

 PKKとトルコとの戦闘は、今後も続くであろうことから、それに合わせて、トルコ・リラがもっと値下がりすることが、予測されよう。そうなると、エネルギー輸入代金の支払いに影響が出てきて、トルコの財政は大幅に、大幅に悪化することになるだろう。

 

:エルドアン大統領最大の敵はISではなくPKK

 トルコのエルドアン大統領は、トルコにとって最大の敵は、IS(ISIL)ではなくPKKだと語った。もちろん国際的なレベルでは、IS(ISIL)の脅威は事実だが、トルコ国内に限って言えば、当面の敵はPKKだという判断だ。

 エルドアン大統領にしてみれば、11月に予定されている選挙までには、何とかPKK問題を解決したい、それが無理でも戦闘状態を止めたい、と望んでいるのであろう。しかし、PKK側の攻勢は日増しに、激しさを増している。