イエメンにサウジアラビアを中心とする、連合軍が3月26日に軍事攻撃を始めて、既に6ヶ月目を迎えている。この間にサウジアラビア側などが、イエメンを空爆し、4500人以上のイエメン人が、犠牲になっている。
そして、遂に連合軍側に大きな犠牲が出始めている、バハレーン兵5人とアラブ首長国連邦兵45人が、イエメンのシーア・ホウシ派の、攻撃を受けて犠牲になった。
ホウシ派が言うには、ロケットによる攻撃で、連合軍側のマアリブの基地が破壊され、爆発を起こして、アラブ首長国連邦側の兵士に、多数の死者が出たということだが、アラブ首長国連邦側は基地内での事故による爆発で、犠牲が出たのであり、ホウシ側の攻撃によるものではないとしている。
イエメンのホウシ派はイランの支援を、受けているといわれているが、イエメンの主要港である、アデンや、首都サナアを制圧しており、アデンにはアラブ首長国連邦の、兵士が侵攻してもいる。彼らは今回のアラブ首長国連邦の兵士が多数犠牲になったことで、トチカ(TOCHKA)ミサイルを使用した、と発表している。
この時期、アメリカを訪問している、サウジアラビアのスレイマン国王とオバマ大統領は、当然、イランの核問題にあわせ、イエメン問題についても、討議しているが、オバマ大統領はイエメンの民間人多数が、犠牲になっていることに付いて苦言を呈したようだ。つまり、あまり関与したくない、ということであろうか。
しかし、アメリカは背後でサウジアラビアのイエメン侵攻を、煽っていたのではないだろうか。アメリカはサウジアラビアに対し、大量の兵器を供与しているのだ。そのことで自信を得たサウジアラビアが、空からの攻撃を激化させ、問題が複雑化したのではないのか。
サウジアラビアは陸上部隊については、あまり芳しい成果を挙げていない。ミサイル攻撃空爆を重ねたが、最近ではイエメン側にアパッチ・ヘリコプターが撃墜される、ということが続いている。
加えてサウジアラビアのミサイル基地が、イエメン側のトチカ・ミサイルで攻撃され大被害が出ている。したがって現在の戦局は、必ずしもサウジアラビアにとって、有利には展開していないのではないか。