イラン政府がエルサレムにある、アクサ・モスクが破壊されることに、強い懸念を抱いている。アクサ・モスクはイスラム教徒にとっては、非常に重要なモスクであり、現在のメッカがキブラ(礼拝をする方向)に定められる以前は、エルサレムがキブラになっていたし、イスラム教の預言者ムハンマドは、アクサから天に昇り、アッラーに会うことが出来たといわれている。
それだけに、エルサレムはイスラム教徒にとって、メッカやメジナに次ぐ聖地となっている。そのエルサレムのアクサ・モスクが、イスラエルによって破壊されるのではないか、それを防ぐためには、世界のムスリムが連帯しなければならない、とイランが言い出したのだ。
これは8月21日が、アクサ放火事件の記念日にあたることから、出てきたものだ。アクサ・モスクはイスラエル人によって、1969年8月21日に放火され、一部を損傷している。
実はイランとは異なり、私もアクサ・モスクの将来に、一抹の不安を抱いている。それは、ネタニヤフ首相の父親が、ソロモン神殿再建の責任者であり、強くソロモン神殿の再建を、望んできていることに起因する。
そして最近、アクサ・モスクがある地域に、大型のキリスト教会が、建設される話が、進んでいるのだ。それはソロモン神殿を建設するに際し、ユダヤ教徒(イスラエル政府)はキリスト教徒の、賛同を得るために揚げた、アドバルーンではないかということだ。
ソロモンの神殿が、アクサ・モスクなどがある丘に、建設されることになれば、土地が狭いことからアクサ・モスクは破壊され、その土地は、ソロモンの神殿に付随する建物用の、用地となろう。
また、イスラエルはエルサレムの土地から、パレスチナ人を追い出すことを進めており、最終的には住民の過半数以上が、ユダヤ教徒になるということだ。イスラエル政府はエルサレムの分割を拒否しており、イスラエルだけの首都だと主張し続けている。
そうなれば何時の日にか、アクサ・モスクは破壊され、ソロモンの神殿が建設されることになろう。そのことは、世界中のムスリムが、反イスラエルだけではなく、反ユダヤ教徒に立ち上がるときではないのか。