『サウジアラビアがらみの信じ難いニュース』

2015年8月19日

 

 アメリカ軍の高官が、サウジアラビアについて、話したことが、恫喝だとして、アラブ世界の一部高官の間に、広がっている。このアメリカ軍の高官は、およそ次のような発言を、したというのだ。

 『サウジアラビアには毎日、巨額の石油収入が転がり込んでいるのだから、その半分をアメリカに回すべきだ。もし、サウジアラビアがそうしなければ、サウジアラビアは滅びるだろう。』という内容だったようだ。

 もし、そのアメリカ軍の高官の発言が、事実であるとすれば、明らかなアメリカ軍高官による、サウジアラビア政府に対する、恫喝ということになろう。

 そうでなくても、最近のサウジアラビアとアメリカとの関係は、ギクシャクしている。サウジアラビアがアメリカを、信頼できなくなったのは、シリアのアサド体制を、アメリカは未だに、打倒していないこと、イランとの核合意が、ほぼまとまったことだ。

 そのいずれも、サウジアラビアにとっては、死活問題なのだ。サウジアラビアはイランの、核兵器開発を恐れているし、イランのイエメン問題への介入についても、苦慮しており、遂にイエメンに軍事介入をする、という決断をしてしまった。

 サウジアラビアのシリア問題への、背後からの介入が、シリア政府の知るところとなっているいま、その仕返しをされる不安は、広がるばかりだ。イエメンへの軍事介入も、なかなかサウジアラビアが考えるような、段階には至っていない。

 そのシリアとイエメンには、イランががっちりと、関与していることは、明々白々なのだ。

 つまり、サウジアラビアは西からはシリアに南からはイエメンに、そして北からは、イランに包囲された形に、なっているのだ。そうした、軍事的苦境に立っているサウジアラビアを、アメリカが守ってくれる、という保証はない。

 そこで、サウジアラビアが新たに、関係強化を考えているのが、ロシアでありエジプト、ということになる。この両国との関係でも、信じられないような事態が、発生してきているのだ。