『イエメンでサウジ軍が敗走か』

2015年8月12日

 

 イエメンから伝わってきた情報によれば、イエメンに近いサウジアラビアの軍事基地が、イエメン人民委員会という名のミリシアと、イエメン軍によって攻撃され、幾つもの基地が奪われ、基地からサウジアラビア兵が、逃亡したということのようだ。 

 その情報によれば、クーワ基地、ジザーンのアルジャラー基地は、ロケット弾攻撃を受けたようだ。アシールのダバ基地も同様に、イエメンの手に落ちたということだ。また、サウジアラビアの南西部ジザーンにあるモタン基地も、BM -21ロケット弾多数の攻撃を受けて、陥落しているようだ。

 イエメン側はロケット弾,臼砲、ミサイルなどで攻撃しているようだが、サウジアラビア兵はこれに抗しきれず、軍事車両などを置いたまま、逃走している模様だ。

 サウジアラビアがイエメン内戦に介入し、アメリカ製の兵器を大量に使い、空爆しているときは、優位に立っていたのだが、やはり陸上戦闘をしなければ、勝利は確実なものにはならない。イエメンのような山岳地形の場所では、なおさらそうであろう。

 この国の中では、大型戦闘車両は移動できる場所が、限定されるのだ。このためこれまでに何度も、サウジアラビア側の戦車や自走砲などの残骸の写真が、マスコミを通じて披露されている。

ゲリラ戦になれば、イエメン人の方が経験豊富であろう。サウジアビア兵はイエメン人のような耐乏生活には慣れていないし、サウジアラビア兵は足腰も、山岳地帯で生活しているわけではないだろうから、どうしても戦闘は不利になるということだ。

 以前、イラクのサマーワの自衛隊基地に、行ったことがあるが、その途上で見た、アメリカ軍のキャンプの食事は、日本の自衛隊に比べると、相当恵まれていた。サウジアラビアの場合も、ぜいたくな食事が提供されない限り、サウジアラビア兵士は戦闘意欲を、燃やせないのではないか。

 あるいはぜいたくな食事が提供された場合、サウジアラビア兵は食べ過ぎて昼寝をし、戦争をする状態にはならないかもしれない。国がら、人がら、気候がら、それぞれに特徴があり、同じ条件を提供しても、同じ用に軍隊が機能するとは言えまい。

 判官びいきではないが、貧弱な装備でサウジアラビアの軍と戦う、イエメン人が勝利したというニュースは、どこか嬉しさをおぼえさせるのだが。ただこのイエメン側の勝利というニュースの場合も、イエメン側の『大本営発表』的な部分が、含まれているのかもしれない。