石油価格の低迷が続くなかで、とんでもない予測論文が、発表された。これは、イギリスのテレグラム紙の、エバンズ・リチャード氏が書いたものだ。彼によれば、今年末にサウジアラビアは、金融危機に陥るということのようだ。
バンク・オブ・アメリカは、ウイーンのOPEC事務所は資金難から、閉鎖の検討をしている、という推測を出している。
サウジアラビアはそもそも、石油で成り立っている国であり、この国のGDPの90パーセントは、石油に依存しているが、IMFはサウジアラビアが、2015年末には資金難に陥る、と予測している。それは、述べるまでもなく、石油価格の低迷が原因であり、GDPは20パーセント落ち込むと見ている。
サウジアラビアの国王は、国家公務員や呼び職員に対して、年間320億ドル支出している。加えて、イエメン戦争の戦費、兵器の輸入、イランとの中東地域における覇権闘争など、費用がかさむことが重なっているのだ。
このため、サウジアラビアの準備金は、次第に減少している。そして、2018年には、2000億ドルまで減少するだろう、という予測がなされている。そうなると、外国資本もサウジアラビアから、逃げ出すことになるというのだ。
世界的な石油価格の低迷の一因は、アメリカのシェールガスや石油の増産で、アメリカが外国からエネルギー資源を、輸入しなくなったことにある。つまり、盟友だったアメリカが、いまサウジアラビアを窮地に追い込む、形になっているのだ。
サウジアラビアはこうした中で、OPEC で減産を合意すれば、需給バランスが変わり、石油価格の上昇が考えられるのだが、世界の石油市場を、出来るだけ確保するためには、増産して売りまくる、という選択をしている。
これでは、石油価格が下がっても、当然であろう。泣き面に蜂では無いが、中国経済の後退も、石油市場を緩めることになっている。世界はいま、何かにつけて、大変革のときを、迎えているのであろう。