『パレスチナ幹部アッバースはPA政治システムを破壊』

2015年8月16日

 

 パレスチナの情報担当トップだった、タウフィーク・ティラウィ氏が、マハムード・アッバース議長の政治姿勢に対して、厳しい批判を行った。彼に言わせれば、マハムード・アッバース議長は体制の変更に失敗し、かつ権力を分かち持つことにも、失敗したということだ。

 その結果、国際社会でのパレスチナ問題に対する、関心は低下している。それは体制内部の変革に、失敗したからだ。

 タウフィーク・ティラウィ氏は真摯で、厳しい討議を幹部の間で、行わなければならないと語り、あらゆる問題点をこの討議の場に、引き出すべきだとしている。そうしなければ、現在パレスチナの立場は、極めて脆弱になっており、崩壊もありうる。マハムード・アッバース議長は自身に対する批判を、拒否しているが、それでは組織は死んでしまう、とも語った。

 パレスチナはいま経済的自立を図り、治安の強化を図り、パレスチナ大衆の信頼を勝ち得なければならない。そして金曜礼拝は政治討議の場ではない。イマームが体制側政治組織の、スポークスマンになってはならないとも語った。加えて、独立した法のシステムを確立すべきだとも語っている。

 マハムード・アッバース議長は、数週間で辞任するだろう、と見られているが、それは彼が既に、80歳の高齢に達したからだ。彼は自分の回顧録の執筆に取り掛かっているということだ。

他方、多くのパレスチナ組織の幹部が、マハムード・アッバース議長の後継者になるために、動き始めている。その後継者候補とみなされるのは、タウフィーク・ティラウィ氏、ジブリール・ラジューブ氏、サエブ・エレカト氏、アハマド・クーリエ氏、マジェド・ファラジ氏、そして獄中にあるマルワーン・バルグーテイ氏だ。

つまり、この段階でマハムード・アッバース議長に対する、批判を行ったのはティラウィ氏の、後継者争いへのプロパガンダでもある、ということであろう。