『IS(ISIL)による大量殺戮は本当なのか?』

2015年8月 5日

 

 イラクのクルド自治政府の発表によれば、イラクの第二の都市モースルで、IS(ISIL)が大量殺戮を行ったということだ。

 この情報によれば、IS(ISIL)は過去2週間で、モースルの軍人、警察官、役人など2000人を、殺害したというのだ。

 しかも、ご丁寧にもIS(ISIL)は、殺害した人物の名前を公表し、遺族に遺体は渡さない、と語っているということだ。

 今年3月に、イラク政府はシーア派やスンニー派の義勇兵を募り、モースル奪還に動き、一部を取り戻している。

 今回のIS(ISIL)による、イラク国民の大量殺戮ニュースは、一体何を狙ったのであろうか。多分に失地回復というか、イメージを取り戻すためのものではないか、と思われる。

 戦争状態の中では、常に双方が自分の側の優位を、創作するものだ。このイラクのモースルでの、大量殺戮ニュースは、IS(ISIL)側にしてみれば、いまだに強力であること言う印象を、ニュースの受け取り手に伝えよう。

 また、このニュースを広げたイラクのクルド側は、いかにIS(ISIL)が残酷な組織なのかを、伝えたいためであろう。

 大本営発表ではないが、戦時下のニュースは一つ一つ、確認の必要がある、ということではないか。