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　6月7日の選挙で、過半数を割った与党AKPは、いま連立内閣の結成に向けて、努力をしなければならない立場にある。この連立工作の権限は、エルドアン大統領がダウトール首相に与え、不可能であった場合は、CHP党首にも連立工作を、させると言っていた。

　ダウトール首相はCHPとの連立にほぼ失敗し、MHPとの連立にも失敗したようだ。その結果、彼は選挙のやり直ししかない、と言い始めている。それは、エルドアン大統領が連立内閣の結成よりも、選挙のやり直しを、強く望んでいるからであろう。

　エルドアン大統領の強い意向が、連立の邪魔になっている、という判断は、与野党の議員の中に、共通してある。エルドアン大統領は再選挙になれば、与党AKPは確実に、過半数の議席を確保でき、単独政権を樹立できる、と考えているからだ。

　しかし、CHPのブルギハン氏は、そのようなことになれば、市民革命[市民クーデター]が始まると警告した。

　CHPが主張するように、ダウトール首相は連立内閣の結成に、失敗したのであるから、その権限を一旦はエルドアン大統領に返却し、エルドアン大統領は彼が語っていたように、CHPの党首に、連立内閣組閣の権限を、与えるべきなのであろう。

　しかし、現実はそうはならない。エルドアン大統領は自分には、憲法を無視する権限がある。自分は国民に直接選ばれた、最初の大統領だ、と豪語しているからだ。

国民に直接選ばれた大統領は、彼の前にもエブレン氏がいたのだが、エルドアン大統領の頭の中には、自分の国の歴史的事実が、入っていなかったようだ。