『NATOが最大規模のIS(ISIL)対応訓練』

2015年7月16日

 

 中東だけではなく、最近ではISISIL)によると思われるテロが、ヨーロッパ各地でも起こっている。このためNATOは ISISIL)対応のための大規模な軍事訓練を、今年後半の10月から11月にかけて、行うことを決定した。

 報道によれが、この軍事訓練はイタリア、スペイン、ポルトガルで行われるほか、地中海でも行われる予定であり、陸・海・空軍が参加する予定だ。ヨーロッパ東部と南部が、特にISISIL)の危険に、さらされているということが、今回の軍事訓練実施の、きっかけになったようだ。

 今回のISISIL)対応の軍事訓練には、NATOのメンバー諸国だけではなく、メンバー国ではない、スエーデンやオランダも参加し、30か国以上の国々から、36000人以上の兵士が、参加する予定になっている。それだけこれらの国々は、ISISIL)の脅威を、実感しているのであろう。

 最近になって、シリアやイラクのISISIL)に対する対応も、真剣味を増してきているようだ。それは、アメリカからの武器の補充が、増えたこともあろうし、アメリカそのものが、ISISIL)対応に本腰を、入れてきているからではないか。

 レバノン・シリア国境では、シリア軍とヘズブラが、ISISIL)を追い詰めているし、イラクのアンバル県でも、イラク軍の優勢が報じられてきている。

 こういたことに加え、イランとアメリカとの間で、今回成立した核交渉合意は、世界が平和を望んでいるからだ、したがって、ISISIL)も今後は追い込まれることになろう、とイラクの高官は語っている。

 ISISIL)は北アフリカやヨーロッパ諸国、アメリカやカナダにまで、活動の範囲を広げたようだが、必ずしも戦闘を有利に運んでいる、とは言えないのではないか。ISISIL)組織の戦闘地域拡大は分散であり、それは力を弱める可能性の方が、強いのではないだろうか。