中東だけではなく、最近ではIS(ISIL)によると思われるテロが、ヨーロッパ各地でも起こっている。このためNATOは IS(ISIL)対応のための大規模な軍事訓練を、今年後半の10月から11月にかけて、行うことを決定した。
報道によれが、この軍事訓練はイタリア、スペイン、ポルトガルで行われるほか、地中海でも行われる予定であり、陸・海・空軍が参加する予定だ。ヨーロッパ東部と南部が、特にIS(ISIL)の危険に、さらされているということが、今回の軍事訓練実施の、きっかけになったようだ。
今回のIS(ISIL)対応の軍事訓練には、NATOのメンバー諸国だけではなく、メンバー国ではない、スエーデンやオランダも参加し、30か国以上の国々から、36000人以上の兵士が、参加する予定になっている。それだけこれらの国々は、IS(ISIL)の脅威を、実感しているのであろう。
最近になって、シリアやイラクのIS(ISIL)に対する対応も、真剣味を増してきているようだ。それは、アメリカからの武器の補充が、増えたこともあろうし、アメリカそのものが、IS(ISIL)対応に本腰を、入れてきているからではないか。
レバノン・シリア国境では、シリア軍とヘズブラが、IS(ISIL)を追い詰めているし、イラクのアンバル県でも、イラク軍の優勢が報じられてきている。
こういたことに加え、イランとアメリカとの間で、今回成立した核交渉合意は、世界が平和を望んでいるからだ、したがって、IS(ISIL)も今後は追い込まれることになろう、とイラクの高官は語っている。
IS(ISIL)は北アフリカやヨーロッパ諸国、アメリカやカナダにまで、活動の範囲を広げたようだが、必ずしも戦闘を有利に運んでいる、とは言えないのではないか。IS(ISIL)組織の戦闘地域拡大は分散であり、それは力を弱める可能性の方が、強いのではないだろうか。