『リビアはIS(ISIL)と死闘か』

2015年7月20日

 

 リビアから二つのニュースが、伝えられてきている。ひとつはシルテで2人のファジュル・リビア側のスパイが、IS(ISIL)によって、十字架のようなものに縛り付けられて、銃殺されたというニュースだ。

これは処刑された二人が、ツイッターを通じて、シルテなどからベンガジに向かう、戦闘員の名前などを伝えたことが、処刑の理由だということだ。IS(ISIL)側にしてみれば、これは処刑に値する重罪であろう。

例によって公開処刑であり、遺体は長時間に渡って、さらししものにされたようだ。シルテの住民などは恐怖と共に、IS(ISIL)に対する強い敵対感情を、抱いていることであろう。

もうひとつのニュースは、リビア政府軍側がベンガジ港近くに停泊する、外国船に対して空爆し、撃沈させたという内容だ。船が撃沈したかどうかは定かでは無いが、相当なダメージが発生したことは事実であろう。

この外国船は、リビア政府軍のスポークスマンの語るところによれば、戦闘員と武器弾薬を、リビア東部に運んでいた、ということのようだ。しかし、トルポリ政府は、この船はタンカーであり、石油を積載するものだった、とリビア政府を非難した。

実際がどうであったのかは、確認のしようがないが、積載物が石油であれ武器弾薬であれ、空爆により引火すれば、相当の爆発が起こったろうから、船は沈没しなかったとしても、相当破壊されたことであろう。

トリポリ政府はIS(ISIL)の側に立った、声明を出したわけだが、関係はどうなっているのであろうか。あるいは、トリポリ政府側が戦闘員と武器弾薬を、リビア東部に運んでいたのであろうか。その実態は不明だ。