6月26日は魔の金曜日の日だったのかも知れない。26は2分すると13であり13日の金曜日に繋がる、二重に危険な日だったのかも知れない。そんなことまで考えたくなるほど、26日の金曜日は酷い日だった。
チュニジアのスーサのホテルで銃撃テロがあり、これまでの調べでは、37人が死亡したようだが、負傷者の数は相当なものであろう。多くはヨーロッパからの観光客だったようだ。
クウエイトではシーア派のモスクが二つ爆破され、ここでも死傷者が多数出ている。さすがに国王も大慌てで、現場に出向いたようだ。このクウエイトでのテロでは、既にIS(ISIL)が犯行声明を出しているし、チュニジアのテロについては、IS(ISIL)は賞賛している。
フランスでも同じ日に爆弾テロと襲撃があり、多数が死傷しているが、一人の犠牲者は首を切られ、その頭部がさらし物になったということであり、IS(ISIL)の犯行かどうかは別に、IS(ISIL)に対してシンパシーを感じている者の、犯行であることは間違いなさそうだ。
エジプトでも断定できる段階では無いが、カイロ・アレキサンドリア間を結ぶ電車で、爆弾が爆発している。この場合は、幸いにして犠牲者は出なかったと報告されている
テロでは無いが、シリアのクルドとIS(ISIL)との間では、激しい戦闘が各地で展開しているし、なかでもIS(ISIL)がクルドに敗北したコバネでは、激戦が続いているようだ。ハサカ、アイヌルアラブと戦闘が展開している地域は広い。
何故6月26日の金曜日に、こうも凄惨なテロが重なったのかについては、私には分からない。多分、イスラム教徒の過激派のIS(ISIL)の内部には、その疑問に対する答えがあるのだろう。
あえて言えば、6月26日はラマダンン(断食)が始まって、9日目の日なのだ。ムスリムにとっては断食を立派に、完全にやりおおせるかどうかの、分岐点の時期なのだ。この頃から完全な断食を断念する人は、少なくないようだ。
つまり、イスラム教徒にとって、最もナーバスになる次期なのかも知れない。そうしたなかで、聖なるラマダンの月に、異教徒や棄教徒に対する、テロを実行することは、アッラーが何倍もの報酬を与えてくださる、とでも思っているのかもしれない。
アッラーは残酷なテロ犯罪を、しかも直接の敵ではない人たちに対して行うことを、ハラールとも、賞賛すべきこととも認めてはいないのだ。無知や迷信、間違った指導者の扇動によるもの以外の、何物でもなかろう。