ワシントンにペルシャンガルフ問題研究所というのがあるが、そこのデレクターであるアリー・アハマド氏が、とんでもない問題発言をした。先に起こった、サウジアラビアのペルシャ湾岸サイドにある地区、アルカテイーフでのシーア派モスク爆弾テロは、サウジアラビア政府が関与したものだ、と発言したのだ。
この発言はイランのプレス・テレビとのインタビューの中で、出てきたものであることは、頭の中に入れておくべきであろう。なぜならば、述べるまでもなく、イランとサウジアラビアは犬猿の仲であり、強い敵対感を双方が、抱いているからだ。
したがって、イランのプレス・テレビの報道は、その内容が事実であるかもしれないが、同時に拡大解釈されている部分が、あるかもしれないからだ。つまり、値引きをして聞け、という意味だ。
このアリー・アハマド氏によれば、サウジアラビアは少なくとも、過去25年間に渡って、反シーア派のテロ組織を、支援してきたというのだ。しかも、これはサウジアラビア政府が、直接的に関与してきたことだ、ということのようだ。
サウジアラビアのイエメンに対する戦争でも然りであり、イエメンの首都サナアの二つのモスクに対する攻撃が、極めて状況が似通っているということだ。これら一連のモスクに対するテロは、サウジアラビアのムハンマド・ビン・ナーイフ内相が計画し、実行したということのようだ。
アリー・アハマド氏は世界がサウジアラビアのテロ行為を、厳重に精査するべきだと語り、サウジアラビアのテロ・ネットワークを解明すべきだ、と主張している。
アリー・アハマド氏はイエメン問題についても質問され、イエメンの抵抗派はサウジアラビア軍に対して劣勢にはなく、逆にサウジアラビア領土の一部を確保していると語った。
しかし、そのことはジュネーブでの和平交渉で、いい結果を生むことには、繋がらないとも語っている。
このアリー・アハマド紙の発言は、耳を傾ける価値があろう。アルカテイーフでのテロでは、IS(ISIL)が犯行声明を出しているが、IS(ISIL)のスポンサー国は、サウジアラビアやカタールであったことは、何度も多くの専門家によって、分析され指摘されている。
したがって、今回のアルカテイーフのシーア派モスク爆破事件に、サウジアラビアが関与していたとしても、不思議はなかろう。そこまで、サウジアラビアとイランとの関係は、緊張しているということだ。