『突然のエルドアンギュル会談は何を生み出すか』

2015年6月20日

 

 トルコのスレイマンデミレル元大統領が、90歳の高齢で死去し、葬儀が首都アンカラ市で行われたが、これを機会に、エルドアン大統領とギュル前大統領との会談が、議会ビルで突然行われた。

 会談は約1時間にわたって行われたが、会談後には両者共に、何を話し合ったのかについて、コメントしていない。それだけ重要な話し合いだったのであろう、と思われる。

 この会談の前には、ギュル前大統領側近のジャーナリストが、エルドアン大統領非難の本を発行しているが、エルドアン大統領側もギュル前大統領について、厳しい非難の言葉を向けていた。

 政治通の間では、今後、ギュル前大統領が首相職に付き、ダウトール首相は外相のポストに、戻るのではないか、と噂されている。またギュル前大統領はエルドアン大統領に対し、内閣から手を引くことと、経済に口を出さないことが、条件のようだと推測している。

しかし、これはほとんど無理な注文と思われる。トルコの経済人は、ギュル前大統領が政界に復帰し、トルコ経済の国際的信用を、回復して欲しい、と望んでいる。

 だが、ギュル前大統領にもプライドがあろうし、エルドアン大統領は全権を握っていたいと思うだろうから、そう簡単には話しが付かないのではないか。この会談の後、エルドアン大統領が部屋を出ると、ギュル前大統領は議会議長のジェミル・チェチク氏と、話し合いを続けたということだが、ジェミル・チェチク氏がギュル前大統領の、説得に当たったのかも知れない。

 会談の写真を見る限り、エルドアン大統領は極めて、不機嫌な表情であり、ギュル前大統領はあきれたという表情をしている。チェチク氏は半分うんざりという表情だが、これは何を意味しているのか?