いまアフリカ大陸各国では、夢のような巨大なプロジェクトが、進められようとしている。その一つがここに紹介する、アフリカ縦断ハイウエイ建設計画だ。もちろん、このハイウエイ建設計画は、それだけで目的が、達成されるわけではない。
このハイウエイは、エジプトのカイロから、南アフリカのケープタウンまでを結ぶのだ。アフリカを縦断するハイウエイが完成して、アフリカの多くの国々が、経済協力や産業開発協力、自由貿易を開始する、ということが本題なのだ。
これまでに、アフリカ諸国はそれぞれの地域で、貿易促進や経済協力の組織が、結成されてきた。例えば、南アフリカ開発協会、(Sadc)がそれであり、東アフリカ協会(EAC)もその一つだ。また、東アフリカ南アフリカ共同市場機構(Comesa)も設立されている。
今回結成されたのは、多国間自由貿易地域機構(TFTA)で、この組織が活動を始めれば、1兆ドルの取り引きを生み出し、6億人の就業の機会を生み出す、という予想だ。そして、この計画は2017年には実現する、と関係者の間では、予測されている。
この新合意で域内各国の各制約が解除され、貿易の自由化進み、取引が活発化していくというものだ。その結果、域内貿易は30パーセント増加が見込まれている。
また製薬プラントのような、巨額投資を必要とするプロジェクトも、域内すべてを市場とすれば、実現可能になるのだ。これまでは自国市場だけが対象であり、大型の計画は実現不可能になっていた。
もちろん、薬ばかりではなく、域内の国々で製造された、あらゆる製品が一つの巨大な市場を持つようになるということだ。何やら、この計画は故カダフィ大佐の広げた大風呂敷、アフリカ統一の夢に通じるものが、あるような気がするが。