リビアにIS(ISIL)が入ってから、大分時間が経過したが、IS(ISIL)の戦火は広がりつつ、あるのかもしれない。例によって斬首を行い、住民を怖気づかせ、戦わずにしてその支配領域を、広げるということも、一部ではは成功しているようだ。
先日、リビアから伝わってきた情報によれば、ある部族はIS(ISIL)に対抗して戦うだけの戦闘員を、自部族内に抱えていないことから、安全のためにバイア(服従宣誓)を行った、と語っていた。
そうした状態が続けば、IS(ISIL)はたちまちにしてリビアを、支配してしまうかもしれない。大分以前にも書いたのだが、リビアは人口が少なく、カダフィ体制下では、正式な軍隊も育ててこなかった。したがって、IS(ISIL)と真正面から戦える組織を、持っていないのかもしれない。
頼みの綱のアメリカ帰りのハフタル将軍も、空軍に頼るしかなさそうで、陸上戦闘をうまく仕切ることは、出来ないのではないか。そうなると、リビアの石油はIS(ISIL)の手に、落ちる可能性がある。現実に、IS(ISIL)はリビアのヘラール油田を、押さえにかかっているのだ。
IS(ISIL)はバルカン諸国に対しても、ジハードを呼びかけた。これはバチカンの法王の、同地域への訪問に、合わせて出された声明だ。IS(ISIL)はユーゴスラビアが崩壊し、コソボ、クロアチアなどで展開された戦争を引き出し、戦わなければ再度悲惨な思いをすることになる、と訴えている。
IS(ISIL)が今回バルカンの住民に訴えたのには、二つの目的があるのではないか。一つはバルカンからの戦闘員参加の呼びかけであり、もう一つは現地での戦闘展開ではないか。
いずれにしろ、悲惨な過去の状態よりも、もっと悲惨な将来が見えてきそうな話だ。リビアの国民のバルカンの住民も、そのことを良くわきまえて欲しいものだ。しかし、経済苦などが理性的な判断を、壊してしまうことは、これらの地域だけではなくあることだ。