『第二スエズ運河8月6日から稼働』

2015年6月16日

 

 10か月前に、シーシ大統領の命令で始まった、第二スエズ運河建設工事が、この86日に完了し、開通式を行うことになった。これはスエズ運河の一部が、双方向でなかったために、滞船が必要であったが、狭い運河に対し、もう一本の運河を引き、双方向同時運航ということになるわけだ。

 その結果、スエズ運河の収入は、2014年には55億ドルだったものが、2023年までには135億ドルになる、と見積もられている。この第二スエズ運河建設国債は、エジプト国民だけが購入可能であり、年利12パーセントと決められ、ボンドはたちまちにして売り切れ、後に増額したほどの人気だった。

 このスエズ計画の責任者は、スエズ運河庁の長官モハーブ・マンミーシュ将軍だが、彼はシーシ大統領にこの計画実施を命令されたとき、5年で完成させると答えたが、シーシ大統領はそれを否定し、それでは3年で完成させると答えたが、シーシ大統領はまた否定したため、最終的には1年で完成させる、と答えて工事に着工したということだ。

 工事では運河の掘削で、掘り出された土の量が、大ピラミッド200個分、5000億立法メートル、工事には41000人が従事し、世界全体の掘削工事人、75パーセントを雇ったということだ。

 スエズ運河は世界貿易の、約10パーセントが通過する重要なもので、現在では18000艘が通過するが、近々20000艘に引き上げるつもりだ。船の通過をコントロールする、エレクトリック・システムも、最新のものとし、22時間かかっていたものを、11時間に短縮することになっている。

 この結果、エジプトのスエズ収入が増加するだけではなく、世界の貿易量も5パーセント増加する、と見積もられている。また、第二スエズ運河の完成で、1000億ドルの収入が見込まれ、100万人の雇用機会が生まれる計算だ。

 スエズ運河の安全については、軍が160キロの運河を守ることになっており、心配ないとモハーブ・マンミーシュ長官は語っている。これで150年のスエズ運河の歴史は一変することになる。

 故ナセル大統領は1956年の戦争で、スエズ運河を国有化し英雄になったが、シーシ大統領も今回の第二スエズ運河を、完成させることによって、英雄になるのであろう。