『やはり現場に行かないとずれてくる』

2015年5月29日

 

 私がトルコに関して主に読んでいるのは、反体制側のトデイ・ザマン紙だが、どうもそれに頼っていると、現実との間にずれが生じるようだ。エルドアン体制が67日の選挙で、大分後退するのではないか、あるいは単独政権は無理ではないか、といった予測をしていたのだが。

 イスタンブールに住んでいる友人と、意見交換をしたが、大分自分のトルコを見る目に、ずれが生じているということに気がついた。彼は優しく『貴方の読んでいる新聞は、トルコのインテリ層が読んでいるものであり、反体制です。

反体制派の人たちはそれしか読まないし、エルドアン大統領を支持する人たちは、大統領支持の新聞しか読まないんですよ。したがって、貴方のトルコ判断に、ずれが生じるのは当たり前です。』というものだった。

選挙でエルドアン大統領は派手に、選挙活動をしているが、それは憲法では禁じられているが、誰もそれを非難でき無い。非難すれば刑務所に送られることが、分かっているからだというのだ。

選挙結果も然りで、エルドアン大統領が言ったような、結果に終わるだろうというのだ。『誰が投票数の確認ができるのか、最終集計が正しいか正しくないか、誰がチェックできるのか。』と彼は語っていた。

彼は選挙の結果は、与党AKP5253パーセント得票し。単独過半数となると断言した。『この5253パーセントという数字は、もっともらしく見える数字であり、信憑性があると内外で、評価されるからだ。』ということだ。

『エルドアン大統領は憲法も軍も欧米も、押さえられる神になったのですよ。』と笑いながら語っていた。そして、彼はトルコの経済がどんどん悪くなっていること、失業率が上がっていること、インフレが昂じていることなどを説明し、『インフレで大衆は死にますか?失業で暴動が起こりますか?』と聞いてきた。

エジプト人のビジネスマンの友人は、いろんな場所でトルコ人ビジネスマンと意見交換をしたが、誰もいまのところ、エルドアンに代われる人物はいない、と語っていたということだ。

どうやら、トルコ国民を乗せて走る超特急列車は、エルドアン運転士の運転の下に。危険な方向に猛進しているのかもしれない。