『ビンラーデンの秘密書簡米が公表』

2015年5月22日

 

ウサーマ・ビン・ラーデンが残したといわれる、書類が多数アメリカ政府によって公開された。それはウサーマ・ビン・ラーデンを殺害したときに、押収したものだと言われている。

 そのなかには、IS(ISIL)がイスラム国家を設立することを、たしなめたり、カリフ制を敷くことに、反対するものも含まれていた、ということのようだ。アメリカ政府はウサーマ・ビン・ラーデンが生存中に、すでにIS(ISIL)は相当広範に、勢力を拡大していたからだ、という説明だ。

しかし、こうなるとウサーマ・ビン・ラーデンという人物は、相当な予知能力を持っていた、ということになりはしないか。いまの段階でなら兎も角も、ウサーマ・ビン・ラーデンが殺害された、2011年の段階でIS(ISIL)は、それほどの影響力を、イラクで持っていただろうか。

つまり、今回アメリカ政府が発表した、ウサーマ・ビン・ラーデンに関する資料には、相当捏造部分があるのではないか、と思えてならない。そして、その資料の中には、国内を標的としないで、アメリカの在外公館や、石油会社を攻撃しろと言っている。

だが、アラビア半島のアルカーイダなどは、その後も国内での闘争に、明け暮れてきている。そのウサーマ・ビン・ラーデンのメッセージは届いていなかった、というのがアメリカ政府の説明だ。

インターネットや携帯電話が、これだけ普及している時代に、ウサーマ・ビン・ラーデンが命令を出して、それがアラビア半島のアルカーイダには、届かなかったというのは、信じがたいことだ。

それでは、そのウサーマ・ビン・ラーデンの書類のなかにあった、『セラレオーネ、トーゴ、イエメンのアメリカ大使館を攻撃しろ。』という指示は、何を意味しているのであろうか。

このウサーマ・ビン・ラーデンの、秘密書簡を読んだアメリカ人は、押しなべてセラレオーネ、トーゴ、イエメンのアメリカ大使館を守れ、と言い出すだろう。その結果、警備兵が増員されることもあり得よう。

これらの3国はどのような価値を、持つ国なのであろうか。イエメンはサウジアラビアという大産油国に隣接しており、しかも、バーブルマンデブ海峡に面している、戦略的に重要な国だ、ということは分かる。ではセラレオーネは?トーゴは何なのであろうか。セラレオーネはダイヤモンドやその他の鉱物資源が、豊富な国のようだ。

それではトーゴはというと、さしたる資源はない。かつては、リン鉱石を産出していたようだが、現在では相当縮小している。そうなると、トーゴの場合はその地理的特性が、関心の的なのかもしれない