トルコはもうすぐ選挙が始まるが、現段階での与党AKPに対する評価は、だいぶ厳しいものになってきている。そもそも、与党AKP内部で幹部のエルドアン離れが、明確になってきているからだ。
ダウトール首相、ブレント・アルンチ副首相、アリー・ババジャン副首相、そしてギュル前大統領らは、いずれもエルドアン大統領とは一定の距離を、取り始めている。
そうしたなかで、エルドアン大統領が展開している選挙キャンペーンは、外国の要人非難であり、野党非難などだが、当然それは内外から、しっぺ返しを受けることになる。
最近のエルドアン大統領の、外国非難のテーマは、エジプトのモルシー前大統領に対する死刑判決であり、彼は欧米諸国がエジプトのシーシ大統領を、非難してこなかったのは、間違いだとも言いだしている。
エルドアン大統領の外国要人非難は『ののしる』といった類のものであり、決して上品ではない。
しかし、エルドアン大統領のそうした選挙向けの、元気のいい(?)悪口のオンパレードは、どれほどトルコ国内の有権者を、引きつけているのだろうか。クルドの政党HDPに対しては、HDPの選挙事務所に対する、テロをけしかけているために、クルド票は全く期待できなくなっている。
最近の世論調査の結果では、AKPに投票すると答えたのが、38パーセントだということだから、すでにKAPの単独過半数は無理であり、エルドアン大統領が夢に描いている、大統領制への移行は、夢に終わりそうだ。
こうなると、最後の手段は票の操作、ということになるが、ヨーロッパのOSCE(欧州治安協力協会)、現段階からトルコの選挙は、不正があるとして、大きな懸念を抱いていることを、明らかにした。そうなると、選挙監視団を大量に送り込む可能性があろうが、それに対してエルドアン大統領は、どう対応するのであろうか。
反エルドアン側のトルコ人の友人は、笑いながら『誰もエルドアンを支持してはいないよ。選挙結果がどうなろうと彼は終わりだ。』と語っていた。選挙結果がエルドアン大統領の操作で、AKPの大勝利ということになれば、トルコでは一波乱も二波瀾も起ころうということか。